(共同通信社)

戦地の惨状がSNSを通じてリアルに伝えられる(写真/共同通信社)

 2016年にはシリア内戦の激戦地アレッポに住む当時7才の少女バナ・アベドちゃんが《いま、爆弾が落ちてきた》《今夜死ぬかもしれない。すごく怖い》などと空爆の惨状をツイートし、世界から注目された。

 少女たちの言葉が世界を揺り動かす背景について、ロシア政治が専門の国際政治学者で筑波大学教授の中村逸郎さんはこう語る。

「SNSの書き込みには、人間一人ひとりの感情や思いが込められます。それが国境を超えて別の個人に伝わり、考えや生き方が変わる。個人から個人に伝染していくことがSNSの大きな特徴です」

 これまでの戦争は軍隊にいる「男性」の視点から語られることが多かったが、SNSによって「女性」や「子供」からも語られるものとなった。

 それによって、戦争はよりリアルで、多角的なものになったといえるだろう。

「SNSやスマホの普及により、私たち日本人が知らないだけで、実はたくさんの戦争が世界で起きていることに気づけるようになりました。映画やゲームのようなフィクションではなく、私たちの日常と同時進行で戦争が起きているのです。SNSによってそうした自覚を持つことが可能になりました」(西村さん)

 身近なツールであるSNSを通じ、戦争の当事者の強い思いをダイレクトに受け取ることができる。多くの日本人が今回の戦争について「他人事ではない」と感じているはずだ。

※女性セブン2022年4月7・14日号

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