スポーツ

センバツ落選聖隷クリストファー 春の県地区予選大敗に監督の落胆

上村監督

上村監督は憤りに近い感情も吐露した

 ベスト4が決まっていよいよ大詰めを迎えているセンバツ甲子園だが、今年はその「選考」を巡っても大きな議論が巻き起こった。昨秋の東海大会で準優勝してセンバツ行きが“当確”とみられていた聖隷クリストファー(静岡)が落選し、ベスト4だった大垣日大(岐阜)が選出されたことを巡る騒動だ。結局、聖隷の出場は叶わず、センバツ期間中に春の静岡大会の地区予選に臨むこととなった。本誌・週刊ポストで聖隷落選問題を追いかけ、選考委員や日本高野連会長の独占取材をレポートしてきた柳川悠二氏(ノンフィクションライター)が、春の静岡大会の会場で見た光景とは──。

 * * *
 まるで高校野球の聖地・甲子園球場と、静岡県の四ツ池公園内にある古びた浜松球場で起きていることがシンクロしているようだった。

 プレイボールの時刻は共に3月27日の朝9時。先に2点を奪われ、中盤までに0対5と劣勢を強いられたことも一致する。そして、両校は共に敗れた。

 センバツの2回戦を戦っていた大垣日大(岐阜)は2対6で星稜(石川)に屈し、春季静岡県西部地区予選の初戦で常葉大菊川と戦った聖隷クリストファー(静岡)も、0対10の7回コールドで早くも春の戦いを終えた。

 舞台は大きく異なれど、両校が同日、同時刻に試合を戦ったのはなんとも不思議な因縁だろう。

 その日、聖隷こそセンバツ出場に相応しい学校だと考えて取材を続け、「33校目」としての出場を認めるべきだと主張してきた私は当然、浜松球場に向かった。試合後、ベンチを引き上げてきた聖隷の上村敏正監督に労いの言葉をかけると、「並の高校生になってしまいました」と声を落とし、肩も落とした。

「もともと力はないんだけど、センバツの代表校に落選し、彼らは『弱い』と評価された。(落選の理由として)甲子園で勝てないとか、個々の能力がないと言われたものだから、なんとかしなきゃいけないという気持ちが空回りしていましたね」

 東海大会の決勝にまで進出した昨秋の彼らには、敗北への恐れが微塵もなかった。

「静岡大会だろうが、東海大会だろうが、“弱いんだから負けたって仕方ない”と思いながらぶつかっていった。ところが今日は、“やっぱり弱かったと言われたくない”という気持ちが勝ってしまった。落選からおよそ2カ月、僕なんかよりよっぽど精神的に強く、頑張っているなあと思いながら彼らの練習を見ていましたが、やっぱりそこは高校生ですね」

関連記事

トピックス

中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
愛子さま、初の単独公務は『源氏物語』の特別展 「造詣が深く鋭い質問もありドキっとしました」と担当者も驚き
愛子さま、初の単独公務は『源氏物語』の特別展 「造詣が深く鋭い質問もありドキっとしました」と担当者も驚き
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
稽古まわし姿で土俵に上がる宮城野親方(時事通信フォト)
尾車親方の“電撃退職”で“元横綱・白鵬”宮城野親方の早期復帰が浮上 稽古まわし姿で土俵に立ち続けるその心中は
週刊ポスト
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト