理由は、『東宝シンデレラ』が不定期開催だからなのではないかと私は思っているのです。オーディションの審査員を何十回も経験したからこそ言えることなのですが、満場一致で「合格」する“金の卵”になんて、めったに会えるものではないのです。どの大会とは言いませんが……、毎年開催しているオーディションにおいて、グランプリを獲得したとしても売れるとは限らないことを見れば、おわかりいただけるでしょう。たいへん失礼ながら“ハズレ”の年はあるものなのです。
応募を待っているだけだと、なかなか出会えないので、たとえば某コンテストの場合は、主催するプロダクションの社長さんが自ら地方まで出向き、スカウト。面接を重ねて、本選に参加してもらっていたと聞きました。そうやって釣って(!)くるワケですね。コンテストにはそれぞれ特徴がありますから、『東宝シンデレラ』の場合は、「シンデレラ」と呼ぶに相応しい“お姫さまキャラ”が必要になってきます。
かわいいのにサバサバしてにおわせない
歴代のグランプリ受賞者を見てみると、品格とともに、“3枚目”や“おてんば”もできる度胸のよさや、プライベートで本業以外の活躍ぶりも見せるキャパの広さを兼ね備えているかたたちが目立ちます。
沢口サンとともに『東宝シンデレラ』の顔ともいうべき、第2回大会の「審査員特別賞」水野真紀サン(52才)は、21年も続く長寿グルメ番組『水野真紀の魔法のレストラン』(MBSテレビ)のオーナー。初代「きれいなおねえさん」でもあるし、ご主人(自由民主党の後藤田正純衆議院議員・52才)の地元・徳島へ行けば、支援者のかたから「奥さんが出馬すればいいのに」との声が上がるほどの人気と聞きます。演説が本当に上手なのだそうです。
昨年3月には聖心女子大学で学びなおして、幼稚園教諭一種免許を取得したことでも話題になりました。
第4回大会でグランプリを獲得した野波麻帆サン(41才)は、直近では『おいハンサム!!』(東海テレビ・フジテレビ系)で武田玲奈サン(24才)の先輩役を演じた際のハジけっぷりと抜群のスタイルに目がとまりました。
公式ホームページには“ファッション・リーダー”とあり、2016年にはご主人の水上剣星サン(38才)とともに子供服ブランド「himher」を立ち上げる多彩ぶり。ファッションやおしゃれ好きが高じて、第5回大会でグランプリの長澤まさみサンのスタイリストも担当しているそうです。
その長澤まさみサンとは、先日、某番組で共演させていただきました。カメラが後ろ姿をとらえることもある番組だからということでしょうね。野波サンがセレクトしたと思われるニットは、背中に特徴があったうえ、初夏のオンエア日に相応しいオレンジのサンダルが本当に素敵でした。