「わたナギ」ブームを分析(時事通信フォト)

出演依頼が続々(時事通信フォト)

 唸らされたのは、多部さんが「ちっとも前と変わらないのに、たしかに変わっている」ことです。2019年10月に写真家・熊田賢樹氏と結婚、その後出産。とはいえ話し方から童顔、鈴を転がすような声に可愛らしい容貌まで以前と「ちっとも変わらない」まま、あっという間に仕事に復帰してきた多部さん。

 ただし、変わった点はたしかにある。このドラマの中で「母となった」存在感が際立っている。娘を誘拐され取り乱す母が流す涙。怒り睨む目。多部さんの迫力が凄い。子どもを持つ者としてかけがえのない存在を失う恐怖が、迫真の演技につながっている。人生の経験をそのまま演技の力へと転換していくタイプなのでしょう。

 素の多部さんといえば、基本的にクールでマイペースな人物として知られています。大学時代は休学・留年など6年間在学した後、きちんと卒業したとか。中途半端でなく自分の道を貫いた。

『これは経理で落ちません!』(2019年NHK)では経理部のOL役、『私の家政夫ナギサさん』(2020年TBS系)では医薬品メーカーのMR役で評判をとり、コメディエンヌとしての地位を確立しました。しかし、コメディドラマの主役であっても「無理矢理笑わせようとしない」が身上。職人のように役に徹する演技が、結果として笑いにつながっていく。

 造形的「可愛らしさ」も本人はガン無視か。『これは経理で落ちません!』の試写会では共演したジャニーズWEST・重岡大毅さんについて「特に何をしゃべっていいのかわからないですね。若い男の人と話題もないし…」と身も蓋もないコメントを炸裂させて話題になりました。

 媚びない爽やかさ。ウソがない気持ち良さ。プライベートを晒さない潔さ。個人的なことは脇に置いて、とにかく現場で「女優」という仕事に集中し演技の中に人生経験を反映させていこうとしているようです。これからも存分に泣きわめき、叫び、乱れ、どす黒い感情も容赦なく曝け出して暴れて欲しい。ぜひ演技の幅を広げ次々に新しい顔を見せてくれることを期待しています。

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