芸能

高田文夫氏 ふっきれたような氷川きよしステージを見て「またいつの日か歌えばいい」

目を見張った氷川きよしの明治座公演

目を見張った氷川きよしの明治座公演

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、氷川きよしの明治座公演について綴る。

 * * *
 氷川きよしの1か月公演(明治座)が熱い。3万円の高価な「プレミアムきよシート」から売れていくという現象で7月4日まで。その後大阪新歌舞伎座、福岡博多座、愛知は御園座で9月中旬まで。そして紅白歌合戦へラストスパートとなる。

 一部の芝居は氷川たっての希望で18世紀のフランスにタイムスリップして七変化。中にはジャンヌ・ダルクやマリー・アントワネット風の豪華なドレスなど身にまとい、さすがの私もびっくり目を見張る。

 二部はスカッとコンサート。『箱根八里の半次郎』のデビューから応援していたので勝手知ったる互いの性格。小さな差し入れにフランスが舞台ときいていたので「ボンジュールなのか」など下らないメモを入れとくと、何とびっくり一部と二部のあいだの休憩時間に私の留守電に「ボン、ボジュール、ありがとうございます。直接会いたいっすねえ。コロナか」と延々コメントが入っている。

 二部のコンサートが始まるといつもの司会者とはずむトーク。氷川曰く「近頃は、女性のタレントさんとかも仲良くて。やっぱりズケズケとハッキリ物を言う人が好きですネ。毎日いろんなお客様がきてくれて、昨日は真矢ミキさん、今日昼の部は倖田來未さんが来てくれまして、今日この夜は残念ながら……高田文夫さんです」だと。そこから延々私を舞台からいじるのだ。「ラジオなんかでもズバズバきついこともハッキリ言うでしょ。だけど根はいい人なんですよ。客席にいます? マイクまわしましょうか。(嫌だとアクションすると)あんな顔して結構シャイなんですよ」

 いやあ何かにふっきれたのかのびのびトークが大傑作。「大みそかまで歌い切って来年からはどうするんですか」とMCにふられ「もう23年間も突っ走ってきたんだからいいでしょ。来年からは楽隠居です」には笑った。

 またいつの日か歌いたくなったら歌えばいい。我々の100倍以上人を楽しませてきたんだから。声がききたくなったらビデオだってCDだってある。私の部屋の中は“氷川名人会”の有様である。やだねったら、やだね……である。

 新橋演舞場では三宅裕司ひきいる吉例「熱海五郎一座」が8回目公演『任侠サーカス~キズナたちの挽歌~』。ここではゲスト出演のA.B.C-Z塚田僚一がバク転やら殺陣やら大活躍(6月26日まで)。漫才のロケット団の定例集会なるライブ、松村邦洋がゲストということもあって亀戸のホールへ。お客の中には30名が間違って亀有に行ってしまったとか。駅前の派出所できいたが、両さんもいないので分からなかったと。

イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2022年7月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
「どうして卒業できないんだろう…」田村瑠奈被告(30)の母親が話した“大きな後悔” 娘の不登校に焦り吐露した瞬間【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
Instagramにはツーショットが投稿されていた
《女優・中山美穂さんが芸人の浜田雅功にアドバイス求めた理由》ドラマ『もしも願いが叶うなら』プロデューサーが見た「台本3ページ長セリフ」の緊迫
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン