国際情報

在位70年のエリザベス女王を支える「ポジティブパワー」と「相手ファーストの哲学」

「くまのパディントン」との共演はロイヤルファミリーも知らない“サプライズ”だった(時事通信フォト)

「くまのパディントン」との共演はロイヤルファミリーも知らない“サプライズ”だった(時事通信フォト)

 在位70年を迎えたエリザベス女王(96才)。英国君主としては、歴代最長を誇っている。

 スエズ危機に始まり、香港返還、EUへの加盟と離脱、そしてコロナ禍──女王として君臨し続けた70年で歩んだ道は決して平坦なものではなかった。ダイアナ元妃の非業の死や最愛の夫・フィリップ王配の浮気疑惑、ヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱など、私生活でもさまざまなピンチが彼女に襲いかかった。

「しかし女王は常に笑顔で公務を続けてきました。特に夫の浮気疑惑には一貫して“見て見ぬ振り”を貫き、相手の素性について進言しようとした女官に即座に解雇を言い渡したという逸話さえ残っています」(在英記者)

 精神科医の渡邊宏行さんは女王の精神面の強さをこう分析する。

「メンタルを強く保てる人の共通点として、自身にとって大切なことだけに“選択と集中”をし、それ以外は7割でいい、と柔軟に考えられることが挙げられます。また、多くの人は、悪い方向に目を向けやすいですが、女王はポジティブな部分に努めて着目しているのでしょう。パーフェクトを目指さず、いいことに目を向けてエネルギーを使うことでメンタルが安定する」

 エリザベス女王への謁見経験のあるジャーナリストの多賀幹子さんはその“ポジティブパワー”を間近で感じたことを振り返る。

「実際にお目にかかったときに印象的だったのは、女王の明るい笑顔でした。常にニコニコして親しみやすく、無邪気で天真らんまん。スタンダップコメディーにも大声で笑っていらした。また、ご自身もユーモアのセンスを持ち合わせており、大切な王冠を前に『これは重たくて、下を向くと首が折れてしまうのよ』とおっしゃったり、『お元気ですか?』と尋ねられて『ええ、まだ生きてますよ』と答えられたり、国民や周囲を笑わせたり喜ばせたりすることが何よりもお好きなのです」

 象徴的なのが、今回のプラチナ・ジュビリーで公開された、くまのパディントンとの共演映像だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン