治療はできるだけ早く皮膚科を受診し、抗ウイルス薬を7日間服用する。重症例では入院し、ステロイドの点滴を行なう。同時に帯状疱疹は強い痛みを伴うため、鎮痛剤や神経ブロックなどで痛みを緩和させる治療も実施する。
厄介なのは70歳以上の約20%に帯状疱疹後神経痛という後遺症が残ること。痛みが強いと神経もひどいダメージを受け、後遺症になる。慢性疼痛薬の服用で徐々に痛みは減少するが、それでも数%は長期間痛みが残ってしまう。
「50歳以上の方に帯状疱疹予防ワクチンが2種類承認されています。子供に接種しているのと同じ弱毒化した生ワクチンと、ウイルスのたんぱく質の一部で造った不活化ワクチンです。抗がん剤や免疫抑制剤を使っている方は弱毒化では帯状疱疹の発症リスクがあり、生ワクチンを接種できませんが、不活化ワクチンは接種可能となっています」(渡辺教授)
生ワクチンは皮下注射1回で料金は8000円程度。不活化ワクチンは筋肉注射2回の接種が必要で、1回当たり2万円だが、こちらのほうが発症抑制効果は高く、免疫の持続期間も長い。自治体によっては半額助成制度がある。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2022年8月5・12日号