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「お花畑正義感の人たち」と思われてしまう5つの危険な言い回し

(写真/アフロ)

LGBTをめぐる議論では冷静さも求められる(写真/アフロ)

 何かと意見が対立しがちな昨今。言い回しひとつで印象は変わってくる。コラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
「お花畑正義感の人たち」という言葉が話題になっています。朝日新聞デジタルの記事によると、25日に開かれた自民党の性的マイノリティに関する会合で、衆議院議員で元環境副大臣の城内実氏は「美しいポリコレ(政治的な正しさ)みたいなものでストーリーをつくって、それを疑問視する人をひたすらたたくお花畑正義感の人たち」「多様な価値観、多様な市民を、ステレオタイプでやっているんじゃないか」などと語ったとか。

 不勉強で恐縮ですが、城内氏がどういう方は存じ上げません。味方したい気持ちもシンパシーも、ひとかけらもありません。記事には「性的マイノリティーへの差別解消に取り組む人を揶揄(やゆ)したともとられかねない発言だ」という煽りっぽい記述も。城内氏の発言の意図が、単なる揶揄なのか差別解消に取り組む人の一部を批判したかったのか、前後の話の流れがわからないまま決めつけるのはやめておきます。

 自民党の代議士の発言ということはさておいて、「お花畑正義感」という言葉を聞いた第一印象は「うまいこと言うなあ」でした。ツイッターでは即座に「お花畑正義感の人たち」がトレンド入りするなど、大きな反響を巻き起こします。

 何人ものLGBT当事者が「たしかにそういう人はいる」と賛意を示すいっぽうで、はるかに多いのが「なんてケシカランことを言うんだ!」という怒りの声。たしかに刺激的で不用意な表現です。ただ、LGBT関係に限らずさまざまな「正しい活動」において、城内氏が言うようなタイプの人がいることは、みなさん十分にご承知のはず。批判が渦巻く光景を見て、なぜか頭の中に「人は図星を突かれると怒る」という言葉が浮かびました。

 もちろん、あらためて言うまでもなく、どんな差別も解消されなければなりません。自分の中の無意識の差別意識に気づいて、それを反省し、自分を変えていかなければなりません。世の中をいい方向に変えるために活動し、積極的に発言してくださっている方々には、揶揄でも何でもなく深い尊敬と感謝の念を抱いています。

 そんな素晴らしい方々に対して、見境なく「お花畑正義感の人たち」というレッテルを貼るような風潮が広まることは、何としても避けたいところ。たいへん僭越ではありますが、この上なく失礼で当人にとっては極めて不本意な誤解を防ぐために〈「お花畑正義感の人たち」と思われてしまう5つの危険な言い回し〉を考えてみました。

■「お花畑正義感の人たち」と思われてしまう5つの危険ワード

その1「多様性を認めないのは差別だ」
その2「これが〇〇の本質(正体)だ」
その3「いまだにアップデートできていない」
その4「巧妙に分断を煽っている」
その5「典型的なミソジニー(ミソジニスト)だ」

 私の勝手なイメージで、「お花畑正義感」と相性がよさそうな言い回しをピックアップしてみました。どれも、実生活ではあまり遭遇しませんが、ネット上ではよく目にする言い回しです。

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