スポーツ

巨人が梶谷・中川らを育成再契約の方針 NPBは制度の“抜け道”をなぜ放置し続けるのか

DeNAからFAで獲得した梶谷隆幸(時事通信フォト)

DeNAからFAで獲得した梶谷隆幸(時事通信フォト)

 毎年話題に上るにもかかわらず、なぜ抜本的な改革が行われないのか──。10月23日、巨人が梶谷隆幸外野手、立岡宗一郎外野手、高木京介投手、中川皓太投手、高橋優貴投手、平内龍太投手ら11選手を自由契約にした上で、全員と育成契約を打診する方向だと報じられた。いずれの選手もケガを抱えており、リハビリに集中させるための支配下登録からの抹消と言われているが、その報道を正面から受け止めるファンは少ない。

「梶谷はDeNAからFAで獲得した選手ですし、中川は去年までセットアッパーとして大車輪の活躍をしました。立岡や高木も貴重なバイプレイヤーとして貢献しているし、高橋は昨年のチームの勝ち頭ですよ。平内は2年前のドラフト1位で、今年53試合に投げている。ケガをしたからといって、この選手たちが“育成契約”では野球ファンの大半は首を捻って当然でしょう」(プロ野球担当記者。以下同)

 巨人が彼らと育成契約を結ぶのは、言わずもがな“FA対策”だと考えられている。

「球団内で年俸の高いAランク、Bランクの選手をFAで獲得する場合、人的補償となる選手は支配下枠から選ばれます。そのため、1人でも多く支配下から外しておこうという狙いでしょう。逆に言えば、巨人は暗にFAに参戦する意向を示した。育成選手制度は本来、現段階では支配下登録するほどではないが、将来大化けする可能性のある選手を獲得し、育てる目的で創設された。そこから巨人の山口鉄也や松本哲也、ソフトバンクの千賀滉大や甲斐拓也など多くの選手が巣立っていった。非常に意味のある制度です。

 しかし、巨人ではここ数年、ケガをした選手を育成扱いにする例が多々見られる。過去にFAの人的補償で一岡竜司を取られて、広島で大活躍された苦い経験があるし、チームの顔だった長野久義や内海哲也をプロテクトのリストに載せられず広島や西武に移籍させてしまった。二の舞を避けるため、ケガという“大義名分”のある選手を支配下から育成に落とし、流出を防ぐという思惑があるのでしょう」

 近年、このような例は巨人を中心に後を絶たない。その度に育成選手制度のあり方が話題に上がるが、改革は行われていない。

「巨人にしてみれば、ルール上問題はないという解釈でしょう。道義的には疑問を持たれても、制度上の不備を突くのは作戦の1つではあります。ならば、NPBが制度を現状に合わせて補完しなくてはいけない。人的補償は支配下だけでなく、育成も含めてそのチームの全選手を対象にすればいいだけ。そもそも、FAが誕生した時に育成選手制度はなかったわけですから、時代の移り変わりに対応してルールを作り直せばいい」

関連キーワード

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン