微小血管狭心症の治療は確定されていない。欧州心臓病学会のガイドラインでは生活習慣の改善と、適度な運動が推奨されている。加えてβブロッカー、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬などの薬剤を組み合わせた薬物治療も推奨されている。
「微小血管狭心症に適度な運動は効果的です。運動で血管内皮からNO(一酸化窒素)などが産生・放出され、血管機能をサポートします。さらに私は、より効率的な治療として低出力パルス波超音波(LIPUS)治療を開発しました。特殊な超音波を照射すると、その刺激で冠微小血管の内皮からNO産生が促進されます」(下川副大学院長)
現在、LIPUSは通常の狭心症患者を対象に治験が実施中だ。今後は微小血管狭心症への応用が待たれる。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2022年11月4日号