芸能

「『会いたい』は“越えられない壁”でした」澤田知可子が語った苦悩と「東京を離れる決断」

35年の澤田知可子が語る

童謡『めだかの学校』の舞台となった荻窪用水そばにある水車小屋に散歩で立ち寄り

 1991年に大ヒット曲『会いたい』でNHK紅白歌合戦への出場を果たし、2000年には同曲が「21世紀に残したい泣ける名曲」として1位に選ばれた歌手の澤田知可子。今年デビュー35周年を迎えた澤田が山あり谷ありの歩みを振り返り、紅白の思い出とその後の苦悩、そして東京を離れた“決断”について語った。

「1990年にリリースした『会いたい』は有線放送からブレイクした経緯があります。電話でのリクエストが徐々に増え、気が付くと週間チャートでベスト10に必ず入るような位置を1年ぐらいキープしていました。週間チャートで1位になったことはありませんでしたが、年間のリクエスト数でぶっちぎりで1位だったそうです」(澤田。以下同)

『会いたい』は1991年、全日本有線放送大賞を受賞。この年の「第42回NHK紅白歌合戦」に出場した。

「紅白歌合戦は『特別枠』での出場でした。当初、私は出場リストになかったようですが、当時のNHKの幹部の方から“『会いたい』を今年の紅白に入れないでどうするの”という一言があったそうです。その推しを受けて周囲も“そうだよね”となって、特別枠を設けてくださったらしいです。紅白は夢。出場できるとは思ってもいませんでしたので、出場決定の連絡がきた時は驚きで絶句してしまいました」

 楽屋の大部屋には、DREAMS COME TRUEの吉田美和、香西かおり、森山良子、坂本冬美らがいたという。

「みなさん落ち着いている方たちばかりで、私だけがワチャワチャしていました(笑)。楽屋で忘れられない思い出は、吉田美和さんからキャンディーをいただいたことです。『どうぞ』って手渡されて、すごくホッとして嬉しかったです。

 本番では緊張で『心臓が首にまで上がってきた』と思うぐらい喉でも心拍数を感じ、ステージに立つと心臓が口から飛び出そうでした。歌っている時も頭の中が真っ白になってしまい、緊張のあまり、『冬の夜』のところを『冬の空』と歌ってしまい、歌詞を間違えるという大失態を演じてしまいました。歌い終わった後は、腰が抜けそうでした」

 紅白の後も『会いたい』はヒットチャートに残り続けた。結果的にリリースから足掛け3年、オリコンシングルチャートの100位以内に87週ずっとランクイン。しかしそれが、のちの苦悩にもつながったという。

「私としてはどんどん新譜を出して、新しい曲を聴いてほしい思いがありますが、世の中はまだまだ“『会いたい』を聴かせて”という雰囲気でした。放送局でも何年にもわたり、“『会いたい』を歌ってください”という番組しかありませんでした。紅白出場後から数年間、『会いたい』は“越えられない壁”でした。

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン