スポーツ

サッカー日本代表への誹謗中傷問題は社会問題に 「元々応援する気がない」の指摘も

なぜ選手個人のアカウントに批判コメントを投稿するのか(写真前列左から2人目が吉田選手。Getty Images)

なぜ選手個人のアカウントに批判コメントを投稿するのか(写真前列左から2人目が吉田選手。Getty Images)

 カタールW杯で決勝トーナメントに進出した日本代表は今夜、日本サッカー史上初のベスト8をかけてクロアチアと対戦する。その快進撃に多くの国民が勇気づけられている。

 優勝候補のスペイン、ドイツと同じグループリーグに入ったため苦戦が予想されたが、初戦でドイツに2-1で逆転勝利の大金星を飾る。日本列島が興奮のるつぼと化したが、第2戦のコスタリカに0-1で敗れ、一転して窮地に。第3戦のスペイン戦は前半に1点を先制されて崖っぷちに立たされたが、日本は強かった。後半に少ないチャンスで2得点を奪って逆転勝利を飾り、首位で決勝トーナメントに進出。難敵を撃破する頼もしい戦いぶりは、もはやフロックではない。

 日本列島が歓喜一色に染まっているが、看過できない問題がある。コスタリカ戦に敗れた際、主将のDF吉田麻也に批判の矛先が向かったのだ。自陣ゴール前のクリアが中途半端な形になったプレーから相手に決勝点を奪われたことで、吉田のインスタグラムに「お前サッカー辞めろ。マジで。2度と日本の土踏むなよ」、「君のせいで負けたよ。もう出ないでください」など誹謗中傷のコメントが殺到した。

 吉田だけではない。同戦に途中出場した伊藤洋輝に対しても消極的なプレーが目立ったとして、「コスタリカの12人目の選手として三笘封じ完璧でしたね」、「国賊消えろ、売国奴」などSNS上で度を超えた暴言が殺到する事態に。元日本代表の本田圭佑が自身のツイッターで、「伊藤洋輝さんに関して。安易な批判はやめるべき。監督が指示してない可能性もある。選手ってのはコーチング1つで1流にも2流にもなりえる」と投稿すると、タレントのJOYもツイッターで、「わざわざ本人のSNSに文句言いにいくって本当に理解出来ない。日本代表を心から応援してるならそのやり方は違くないか?判断ミスや観ている側が求めるプレーと違う事はスポーツならあるよ。負けたくて戦ってる選手はいないし、応援する僕らはリスペクトを忘れたらダメだよ」と訴えた。

 SNSで過度な誹謗中傷にさらされている選手たちは、心に傷を負っている事実を忘れてはいけない。メディア報道によると、ドイツ戦で決勝ゴールを決めた田中碧は、「コスタリカに負けて、いろんな選手がいろいろ言われているのを見て正直、腹が立つところもありました。同じ国民なのに、なぜ一緒に戦ってくれないのかと思ったし、だからこそここでもう一回勝って、全員で次のステージに進みたいというのがあった」と語っていた。

関連記事

トピックス

遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン