「個人で輸入すること自体は合法ですが、自己判断でのむにはかなり危険な薬が多い。かつて販売されていた『アレルギーメディシン』は、日本の同成分の薬に比べて、依存性の高い『クロルフェニラミンマレイン酸塩』が何十倍も多く含まれていました。
海外旅行も解禁されつつありますが、旅行中に具合が悪くなって薬を買うときも、同じ名称の薬でも成分が日本より多いことがあるので、気をつけてほしい。現地の薬剤師や病院に相談してから服用してください」(長澤さん)
薬への依存は、無意識のうちに始まっていることがほとんどだ。未然に防ぐために大切なのは、どんな市販薬も長期にわたってのみ続けないこと。薬剤師の三上彰貴子さんが言う。
「必ず用法用量を守ること。市販薬は2〜3日、市販の漢方は2週間程度のんでも症状が改善されなければ、病院を受診してください。慢性的な頭痛で市販の鎮痛薬を使い続ける人もいますが、月に10日以上のんでいるのであれば、頭痛の専門外来を受診すべきです。
服用量が増えていなかったとしても、薬が手元にないと不安になったりイライラするようならば危険な兆候といっていい。“依存しているかも”と思ったら、薬の名前のわかるものを持って薬剤師やかかりつけ医、内科を受診しましょう」
市販薬を味方につけられるかどうかは、あなたにかかっている。
※女性セブン2023年1月19・26日号