予想されるM7クラスの首都直下地震
そのほか交通網、送電網、通信設備、電波通信などに影響を与える恐れもあり、社会が大混乱に陥るのは間違いないだろう。富士山が噴火すれば火山灰だけでなく、火砕流が襲うこともありうる。富士山の厄介なところは、火口以外のところからも噴火する可能性があることだ。
「もし南側で噴火して火砕流、溶岩流が発生した場合、東名高速道路を寸断する可能性もあります。火砕流は新幹線ほどのスピードで押し寄せるとされ、約9万年前に箱根山の噴火で発生した火砕流は横浜市にまで達しています。多摩川の川幅は狭いため東京にも押し寄せ、八王子・立川付近まで届く可能性があります」
地震と火山活動とは密接な関係があり、この地獄絵図は現実のものとなるかもしれない。
「1923年の関東大震災が起きる前の100年間で、6回の内陸直下地震が起きています。さらに、関東大震災の220年前、1703年にはM8.3の元禄地震が起きており、江戸城の石垣が壊れたとの記録がある。そしてその前の100年の間にも3回ほどM7クラスの直下地震が起きている。つまり、首都圏では最大級の地震より前に、M7クラスの直下地震が起きるという原則があるようなのです」
(第4回につづく)
※女性セブン2023年3月16日号
最新版 首都直下地震危険地域ワースト10
荒川、足立、墨田、葛飾、台東の危険地域