バイタリティ溢れる竹内

バイタリティ溢れる竹内

◆医師からは「保証できない」

 行動はバイタリティにあふれている。主演を務めるスペシャルドラマ『かっこいいスキヤキ』(テレビ東京系6局、3月18日午後4時~)は、『孤独のグルメ』の原作者・久住昌之と作画・泉晴紀による漫画ユニット、泉昌之のデビュー作で、全4話のオムニバス形式のショートコントドラマになっている。トレンチコート、青い瞳、職業不詳という2枚目のキャラクターが、想定外のアクシデントに見舞われ、中年男性の悲哀を描き、笑いを巻き起こす。竹内は演技の幅が広い。強面のキャラから、悲哀を感じさせる中年男性の役も……。役者人生も、一つの枠に収まりたくない生き様を物語っている。

 俳優、会社経営のほか、企業案件で商品のプロデュースに携わるなど多忙な日々だが、昨年2月にYouTubeチャンネルを立ち上げ、TikTokでも配信している。SNSのコメントにはすべて目を通し、返信することも。20代の若者たちとクラブに行く時もあるという。

「『いい年して、何をやってるんだ』とか思われるだろうけど、若者と接することで学べることはたくさんある。過去の栄光とかに引きずられていて気取ってもプラスにならないんだよ。昔の子供たちの夢は『歌手になりたい』、『俳優になりたい』だったけど、今は誰も言わない。YouTuberが一番人気なんだから。俳優よりYouTuberのほうが稼いでいる。その現実を見ないと。昔は昔で良い部分があるけど、俺らもその時代に合わせていかないといけない部分はある」

 普段は隠れていて見えないが、竹内の首の後ろには生々しい手術痕が残っている。Vシネで活躍していた時期のアクション撮影は過酷だった。31歳の時には生死にかかわる大けがを負った。大学病院で長時間に及ぶ大手術の後は、3か月寝たきりの生活に。首を固定しなければいけないため、天井に映ったテレビの反射鏡を見つめることしかできなかった。体を張った演技の代償としてその後も首を3回、腰を2回手術している。

「俺は、一回死にかけている。一番大事なのは健康なんだよ。それは声を大にして言いたい。特に同世代の人たちに考えてもらいたい。残りの人生を計算した時に、歳を取ってから終活をやっても意味ないんだよ。最後はみんな寝たきりになるんだから、動くうちに何もしないのはもったいない」と熱弁した後に続けた。

「まだ60歳の手前なんだけど、俺は脊髄が悪くて。実際、医者にも『保証はできない』って言われているんだ。いつまで満足な体で動けるかわからないし、車いす生活に突然なるかもしれない。だったら、身体が動くうちに、楽しんだほうがいいなと思って。若い人たちとクラブに行って、体に負担が掛からない程度に踊ったりね。楽しいことって、たくさんあると思うんだよ。一時期寝たきりになったからわかったのかもしれないけど、残りをどうやって過ごすか考えた時、楽しく生きたほうが絶対にいい」

 金髪のオールバックの竹内が穏やかな笑みを浮かべる。時代に合わせた柔軟な思考ができる一方で、時代に流されず筋が通った芯の強さがある。オンリーワンの道を歩む竹内は、「ドラマの『かっこいいスキヤキ』もそうなんだけど、もう1つ準備している企画があってさ。ファンは喜んでくれると思うし、それ以外の人も食いついてもらえるよう色々準備しているから、もう少し待ってて(笑)」と予告した。忙しい日々はしばらく続きそうだ。

【了。前編から読む

◆取材・文/平尾類(フリーライター) 写真/山崎力夫

 

かっこよさは色褪せない

かっこよさは色褪せない

ユーモアを交えながら語った竹内力

ユーモアを交えながらも真剣に語った竹内力

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン