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竹内力、豪邸売却の真相を明かす 「身体が元気なうちに残りの人生を有意義に楽しく生きたいんだよ」

終活について語った竹内力(写真 山崎力夫)

終活について語った竹内力(写真 山崎力夫)

 俳優の竹内力(59)がスペシャルドラマ『かっこいいスキヤキ』(テレビ東京系6局、3月18日午後4時~)で主演を務める。同作は大人気ドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京系列)の原点にあたる作品で、全4話のオムニバス形式のドラマだ。竹内はこの作品に主演だけでなく、プロデューサーとしても参加。さらにはTikTokなどのSNSから商品プロデュースまで精力的に活動を広げている。その竹内に、活動の原点と現在地について聞いた。【前後編の後編。前編から読む

 竹内が、都内にある豪邸を売却したと報じられたのが昨年9月。現在は都内のマンションに住んでいるという。

「マンションは楽よ。受付の管理人さんが宅急便とか何でもやってくれる。あの家は10人ぐらいで住まなきゃ無理だよ。風呂が5つ、トイレが5つあるけど使わないしさ。ごみ捨ても朝の8時まで出さなきゃいけないし、酔っぱらって眠いのに起きて。枯れ葉が落ちたら枯れ葉の掃除もしなきゃいけないし。25年間も住んで飽きちゃったんだよ」

 この売却報道は大きな反響を呼んだ。ネット上では「実家が大金持ちだった」などのコメントが見られたが、全否定する。

「色々書かれたけど全然違うよ。うちは貧乏だったから。俺が子供の時は雨の日も雪の日も毎朝新聞配達していたし、親孝行ができると思って高校卒業後に銀行で働いた。お金を稼ぐ大変さは誰よりも身に染みている。だから、金持ちのボンボンとか大嫌いだったんだ。自分で頑張った証としていい車に乗ったり、いい家に住みたいというのはあったけど、無駄な金遣いはしていない。底辺を知っているから、その気持ちは今もずっと忘れていない。家を売却したのは終活のためだよ。自分で稼いできた金は、自分の人生に注いでもいいじゃない。どうせ死ぬんだから。死んじゃったら、それで終わりだから。残りの人生を有意義に楽しく生きたい。そのための資金だよ(笑)」

 竹内の生き様は「既存の成功者」の枠に捉われない。銀行に勤めたが、なんと高校時代からの髪型リーゼントにネクタイを緩め、シャツも腕まくりと異例のキャラクターだったという。銀行員には見えない風貌だったにもかかわらず、営業成績で店内トップに。「おばちゃん、こんなに金が余っているんだから、5万円の積み立てをしてよ」など利用客に親しげに話しかけることで、「うちの息子みたいね」とかわいがられた。口コミで話題を呼び、新規の契約が次々に取れるように。

「うれしかったよ。5万、10万円の積み立てなのに、100万円の積み立てをしないとあげられない銀行の粗品である高級な皿をあげたりして。今の時代だったらアウトだけど。いや、その時もアウトか(笑)。でもおばちゃんが友達に宣伝してくれるのよ。そしたら、口コミでお客さんがどんどん増えて。結果が全ての世界なんだよ。リーゼントでも結果を出せば文句を言われない。銀行に限った話じゃないよな」

 銀行を2年で退職した時も、円満退社だった。送別会を17回開いてもらったという。上京してライブハウスでウェイターのアルバイトをしている時に芸能事務所にスカウトされた。デビューは21歳。2枚目俳優として女性人気を高めていたにもかかわらず、Vシネマの道へ。チンピラ、ヤクザの役などで出演し、当時は一般映画より格下と言われたビデオ映画の俳優に転身したのは異例のキャリアだった。

「トレンディドラマの時代、髪をおろしたヘアスタイルで品のいい役が苦手だったんだよ。田舎の友だちからも、『ボンボンの役をやっていて似合わない』とか言われてさ。感情を押し殺してやっていたけど、いい芝居ができない。自分の性格と180度違うから無理だよ、だから自分の素に近いキャラクターを作っていって。そのほうが仕事していて楽しいし」

 その後は『ミナミの帝王シリーズ』、『JINGI仁義』に主演してカリスマ的な人気を誇り、2000年代に放送されたオリジナルビデオ『岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説』も話題に。一方、プロデュース業にも打ち込んだ。1997年に設立した映像製作会社『RIKIプロジェクト』で様々な映画製作に携わり、海外で賞を獲得している。

「人と違うことをやるっていうのが、俺の性格。生き方として普通は真ん中を通るじゃない、安全パイで。それが俺は嫌なんだよ。落ちるかもしれないけど端を通りたくなっちゃうんだよね(笑)」

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