ファンに手を振る川口

ファンに手を振る川口(写真は2022年)

 サリエンスとは顕著な特徴、突出、突起という意味で、沢山の情報を処理し続けている人間の脳は、物事を判断する時になるべくストレスを減らすために、わかりやすく特徴があり目立つものに目を向けるという性質がある。そして、このサリエンス効果にはある特徴がある。『情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学編』(情報文化研究所著、フォレスト出版)によれば、「目立ちバイアスに引きずられることで、他の重要な特徴を見逃してしまう」というのだ。

 確かに彼女の姿に目が向くばかりで、背景に何があるかは見ていなかった。まるっきり見逃してしまったのだ。CMとしてこれでいいのか?と思ったが、30秒のバージョンでは「ロゴと私のキュートな素でニデックを覚えてもらう戦略です」とCMの中で川口さんが説明していた。最初から、そんなことは折り込み済だったのだ。

 旧社名の日本電産になじみがある人たちに名前が変更したことを知ってもらうために、昭和の時代の流行歌を使い、若者世代には川口さんを起用することで、社名を広く覚えてもらおうということなのだろう。さてこの戦略が吉と出るか凶と出るかは、まだわからない。私の頭の中ではなぜか今、社名ではなく『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』を歌っている川口春奈がいるからだ。

 どうやら私の脳は川口さんのこと以外、社名を記憶することをスルーしたらしい。サリエンス効果が働いてしまったようだ。

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