ライフ

「ChatGPT」に大人力勝負を挑んでみて、鵜呑みは危険と実感した

「ChatGPT」の登場はAI・ロボット革命の進展をより印象付けた(時事通信フォト)

「ChatGPT」の登場はAI・ロボット革命の進展をより印象付けた(時事通信フォト)

 高度な情報化社会に生きる我々にとって、テクノロジーとどう向き合うかは喫緊の課題である。コラムニストの石原壮一郎氏が考察した。

 * * *
 AIチャットサービスの「ChatGPT」。にわかに話題と注目を集めていますが、私たち物書きの仕事とも深い関係がありそうです。ま、できてしまったものは仕方ありません。便利に使ったり楽しく遊んだりして、いい感じで付き合っていきたいものです。

 まずはお手並み拝見。私が長年研究を続けている「大人力」に関して、「ChatGPT」はどのぐらいの実力を備えているのか。当たり前の知識を並べるのは得意でも、大人力のような細かい機微を取り扱うのは苦手なはず。いや、苦手であってほしい。

 そう願いつつ、「ChatGPT」(以下、G君)に「大人力勝負」を挑んでみました。まずはよくあるシチュエーションにおける大人力から。拙著『大人力検定』にある検定問題をぶつけてみましょう。

Q:男女何人かでいるときに、友人が「おい、鼻毛が出てるぞ」と指摘してくれた。いっしょにいる女性が笑っている。次の1~3のうち、もっとも大人力が高い反応は?

1「こっそり抜いてくれればいいのに」と無理な注文をつける
2「よくも恥をかかせてくれたな。決闘だ!」といきり立つ
3「え、きっと目の錯覚だよ」とシラを切りつつ、こっそり抜く

 これに対してG君は、こう答えました。

〈最も大人力が高い反応は、3「え、きっと目の錯覚だよ」とシラを切りつつ、こっそり抜くです。この反応は、友人からの指摘に対して冷静に対処し、いっしょにいる女性の笑いを無視することで、自信を持って自分を表現することができます。また、自分の見た目に気を遣って、こっそりと鼻毛を取る姿勢も示しています〉

 な、なるほど。シラを切りつつ、女性の笑いを無視すれば「自信を持って自分を表現」したことになるという見解なんですね。なんか感じ悪くて器が小さい人に見えないか心配です。ちなみに、私が本の中でもっとも高い点数を付けた選択肢は1でした。あえて軽い笑いを取りに行くことが、恥ずかしさに負けない大人としての強さだと考えた次第です。

 この回答を見て、自分としては「フッ、AIもまだまだだな」と勝ち誇った気持ちでいますが、もしかしたらG君の意見に賛同する人も少なからずいるかもしれません。語り口がもっともらしいだけに、流し読みだと素直に納得してしまいそうです。

関連記事

トピックス

杏が日本で入院していた
杏が日本で極秘入院、ワンオペ育児と仕事で限界に ひっきりなしに仕事のオファーも数日間の休みを決断か
女性セブン
佳子さま
【不適切なクレームが増加?】佳子さまがギリシャ訪問中に着用のプチプライス“ロイヤルブルーのニット”が完売 それでもブランドが喜べない理由
女性セブン
都知事選に向けての出馬表明は不鮮明なまま
【最近のコンビニのお弁当は…】多忙を極める小池百合子都知事 同居男性の転居、愛犬との別れ、都庁で若手職員の離職が増加…深まる孤独感
女性セブン
一躍、注目の存在に(左から丸田湊斗、清原勝児、延末藍太)
「レクサスに乗りたい」慶大の“美白プリンス”丸田湊斗が明かした「将来の夢」にOBから心配の声「斎藤佑樹の“二の舞”にならないで…」
NEWSポストセブン
昭和42年(1967年)に創業の亀の湯。5月16日、公式Xにて度重なる客のマナー違反を理由に急きょ閉店を発表した。
【神奈川老舗銭湯がカスハラ閉店】サンダル盗難、蛇口破壊、女湯のぞき、ゴミで溢れる駐車場には包丁が……店主絶望の決断も再建に立候補の声「お風呂屋さんをやりたい人が」
NEWSポストセブン
活動を休止中のもたいまさこ、今秋ドラマ主演予定の小林聡美
《3年間女優活動ナシ》もたいまさこの復帰願う小林聡美、所属事務所が「終活」で第二の旅立ちへ
NEWSポストセブン
中村芝翫と三田寛子(インスタグラムより)
《三田寛子が中村芝翫の愛人との“半同棲先”に突入》「もっとしっかりしなさいよ!」修羅場に響いた妻の怒声、4度目不倫に“仏の顔も3度まで”
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
【独占スクープ】中村七之助が京都のナンバーワン芸妓と熱愛、家族公認の仲 本人は「芸達者ですし、真面目なかた」と認める
女性セブン
田村瑠奈被告
【戦慄の寝室】瑠奈被告(30)は「目玉入りのガラス瓶、見て!」と母の寝床近くに置き…「頭部からくり抜かれた眼球」浩子被告は耐えられず ススキノ事件初公判
NEWSポストセブン
反自民、非小池都政の姿勢を掲げている
《一時は母子絶縁》都知事選出馬・蓮舫氏、長男が元自民議員との養子縁組解消&アイドルを引退していた
女性セブン
日本中を震撼させた事件の初公判が行われた
【絶望の浴室】瑠奈被告(30)が「おじさんの頭持って帰ってきた」…頭部を見た母は「この世の地獄がここにある」 ススキノ事件初公判
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 名古屋にも抜かれる「大阪沈没」衝撃予測ほか
「週刊ポスト」本日発売! 名古屋にも抜かれる「大阪沈没」衝撃予測ほか
NEWSポストセブン