店員から「バツ印」を出されたシーン(問題となった『ラヴィット!』の場面より)

店員から「バツ印」を出されたシーン(問題となった『ラヴィット!』の場面より)

被害を受けた唐揚げ店に行ってみると…

 被害を受けた店舗は韓国唐揚げ(タッカンジョン)のお持ち帰り専門店で、行列ができるほどの人気店だ。タッカンジョンには鼻につくような臭みのあるものも少なくないが、この店舗の商品はどれも香りが良く軽やかで、ついつい口に運んでしまう。近くに住む教え子に聞いたところ、その味は「町内で有名」なのだそうだ。

『ラヴィット!』の韓国ロケで接客をしていたオーナーへの取材を試みたが、応じてもらえなかった。また、一緒に映っていた女性が店頭に立っていたので話しかけてみたが、「私は何も言える立場ではない」と口を噤んだ。

 映像では 二人とも山添に注意をしつつも笑顔を保っていたが、心中は穏やかであるはずもない。それに、店としては味で広く知られてほしいところだが、今回はそうならなかった。私が訪ねたときも、店舗前で立ち止まって「ああ、この店か」と言って去っていく人がいた。そのような形で有名になってしまうのは、店としては不本意であろう。

 番組では「番組として不適切であったと深く反省し、お店に直接謝罪をさせて頂きました」と謝罪があったが、「唾楊枝テロ」はいまも尾を引いているのだ。

◆平井敏晴(韓国・漢陽女子大学助教授)

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