確かに、バターはほかの油と比べれば、牛乳由来のビタミンやたんぱく質などを多く含んでいるといえる。だがそうした栄養素は野菜など、ほかの食品から充分に必要な量を摂取することができる。管理栄養士の望月理恵子さんがくぎを刺す。
「バターに限らず、どんな油も摂りすぎれば“やせホルモン”のGLP-1の分泌を妨げることになります。特に飽和脂肪酸は1日20 gまでに抑えるべき。食パン1枚にバターを塗って、牛乳をコップ1杯飲めば、それだけで20g近い飽和脂肪酸を摂ることになります」
簡単に“上限”に到達してしまうため、細心の注意が必要なのだ。そもそも乳製品自体が日本人の体質に合わないという指摘もある。
「農耕民族の日本人と狩猟民族の欧米人とでは、腸内細菌の種類や比率が異なります。一説では、日本人の約8割が、乳製品に含まれる乳糖を消化できず、腹痛や下痢になる『乳糖不耐症』だといわれています。牛乳を飲むと便秘が解消するという人もいますが、本当は乳糖不耐症でお腹を壊しているだけかもしれません」(星子さん)
※女性セブン2023年6月22日号