◆女の子が大ケガで騒ぎに
穂坂一家が幼少期に住んでいた団地
「6年生の頃、ある女の子に廊下で足をひっかけて転ばせたことがあったんですが、転んだ拍子にその女の子が持っていたガラスのような物が割れ、腕を大きく切ってしまう大ケガになってしまったんです。血管を切ってしまったのか、廊下には大きな血だまりができて大騒ぎになった。その後も大地は普通に学校に来ていましたが、その一件からすこし経って一家は引っ越ししました。その後の話では、大地の母親と被害者の両親が揉めることになって、(大地容疑者の)母親が金を払う気がなかったからではないかと言われていました。大地の母親は“その子が割れるような物を持ってたからあかんのやろ”というような主張をしていたようです。その後、大地の話を聞いたことは無かったが、まさかこんなことになるとは……」(同前)
当時一家が暮らしていた団地を取材すると、大地容疑者に限らず、きょうだいが幼少期に母親からネグレクトを受けていたという証言が得られた。4容疑者のひとりと同級生の子をもつ保護者はこう語る。
「子どもたちは小学校時代、毎日のように母親から言葉の暴力を受けていた。いつも家では母親がわめく声が聞こえていて、子どもは泣いてじっと耐えている。私から言わせれば、彼女たちも可哀想な子どもだった。母親は家から出てくることもなく、父親はいなかった。たまに母親の彼氏のような男性が来ていたが、子どもと一緒のときは見たことがない。食事くらいは作ってもらえるんだろうけど、掃除や洗濯は沙喜らがやっていていつもゴミ出しする姿を見ていた」
前出の大地容疑者の同級生も大地容疑者が何度か「母親から殴られている」と口にしていたことを記憶していて、大地容疑者の腕にあざのようなものもあったという。
子への虐待は、親子間で連鎖すると言われる。NPO法人・日本こども支援協会の公式サイトによると、どの国でも虐待を受けた子が虐待をする親になる確率は7割だという。穂坂家の“虐待の連鎖”を社会で止める術はなかったのか。
穂坂沙喜容疑者の卒業アルバム