本塁打32本は両リーグトップを独走(Sipa USA/時事通信フォト)
2022年、大谷さんは最終的に15勝を挙げ、ホームラン34本と投打で好成績を収めました。11月、MVPが発表される前に放送されたMLBネットワークの番組内で、大谷さんは「去年(2021年)は対照的にバッターの方が良かったですけど、今年はピッチャーの年だった」と2022年シーズンを振り返っています。確かに投手としての進化が顕著で、「全体的にはスライダーが多かった印象。途中でシンカーを加えて、さらに幅が広がった」と本人も手応えを感じていました。
2桁勝利&2桁ホームランを続けるために鍵になるのはピッチングです。今の時代に2年連続10勝以上するのは決して簡単ではありません。それでもシーズンを通して先発ローテーションを守り、6イニング以上3自責点以内のクオリティスタート(QS)を重ねていけば、自ずと勝ち星は付いてくると思います。
【プロフィール】
福島良一(ふくしま・よしかず)/1956年、千葉県生まれ。大リーグ評論家。1968年に日米野球を初観戦し、本場のアメリカ野球に魅了される。1973年に初渡米して以来、毎年のように全米各地で観戦。MLB全球団の本拠地はじめ、マイナーリーグ、独立リーグなど数え切れないぐらいの球場を訪問。大リーグ通の第一人者だった故伊東一雄氏の薫陶を受け、現在は日刊スポーツなどで執筆のほか、テレビ、ラジオなどで評論。NHKなどを経て、 2020年からはインターネットTVのSPOTV NOW、ABEMAでMLB中継の解説者としても活躍中。著書に『大リーグ物語』(講談社現代新書)、『大リーグ雑学ノート1、2』(ダイヤモンド社)など多数。
※福島良一『もっと知りたい! 大谷翔平』より一部抜粋・再構成