同作品の舞台挨拶で小林さんは、『彼が僕を導いてくれました』と、念願の主演作に胸が詰まり涙ぐんでいました。偲ぶ会の祭壇には高島礼子さんや松本幸四郎さんからの供花が飾られ、現役俳優では小林さんが東京から駆け付けて黒土監督の遺影に向かって最後まで感謝の言葉を述べていました。背中越しでしたが、俳優としてよほど充実した作品だったのでしょう。2時間の会が終わっても名残惜しそうにされていました」(前出の出席者)
そんな初主演映画から5年──。SNS上では、《小林稔侍さん最近みないけど、お元気かしら》《小林稔侍さん、そーいえば久しく見ない》という声が上がるなど、近年はドラマで小林の姿を見かける回数が減っている。体調を心配する声も囁かれたが、今年1月に放送された新春ドラマ『ホリディ~江戸の休日~』(テレビ東京)の特別出演で、久しぶりに役者姿を披露した。
「小林さんは2017年に長年連れ添った奥さんを亡くし、一時期はコロナ禍でドラマの撮影も困難な状況になりました。ただ、各局の制作スタッフも若返り、大ベテランとなった小林さんの知名度と存在感が合致する作品がなかなか見つからないそうです。昨年10月は元東映の高岩淡社長、今年7月には同社の手塚治元社長お別れ会に参列するなど、かつての知人を送り出すことが増えました」(前出の映画会社関係者)