高畑裕太X(旧Twitter)より
では、思想が変われば顔つきは変わるのか。昔から顔つきや顔立ち、ほくろの位置などで、その人物の性格や気質、才能までも見抜くものに、顔相や観相学があるが、手相のように占い的な要素が強い。顔と人格の関係についてアメリカで研究されてきた「人相科学(パーソノロジー)」は、人の顔を作るのは思考と感情と行動であり、脳の働きと顔の状態は関連するという。フランスには、顔の輪郭や目鼻立ちや肉付きなどからその人の性格を知ろうとする「相貌心理学」がある。どれも顔からその人の性格を理解しようとするものだが、感情や思考が変われば表情も変わるというところは同じだろう。
よく笑うようになれば、表情筋の動きが活発になり、表情に張りが出てメリハリが生まれ、目つきや顔つきが変わり、雰囲気が変化する。生き方が顔に出るとか、歳を取ったら自分の顔に責任を持てと言われるのはこのためだ。その前提からいけば、高畑さんも事件を起こした時の彼とは違うのかもしれない。
人生のバランスが取れてきているはずという彼が、これからどんな人生を歩むのか。変わっていくだろうその顔を、折に触れ、見てみようと思う。
2016年9月、釈放され、謝罪の言葉を述べる俳優の高畑裕太(時事通信フォト)