ライフ

山口真由さんが語る「自分の弱点」と「経験できなかった青春」 『スラムダンク』『白線流し』に夢中

01-01

新刊『挫折からのキャリア論』で半生を赤裸々に明かした

 現在は信州大学特任教授であり、テレビの情報番組などでコメンテーターも務める山口真由さん。よく知られているように、学生時代の成績は常にトップクラスで、東京大学在学中に司法試験に合格し、「全優」の成績で卒業。財務官僚、弁護士などの華々しいキャリアを経て、現在がある。加えて、社会人になってからも学ぶ意欲は絶えることなく、ハーバード大学ロースクール留学や、東大大学院も修了。現在も毎朝、勉強は続けているという。

 経歴の字面だけ眺めていると、山口さんが私たち庶民と同じ立ち位置にいるとは思い難い。オーバー気味に表現するなら、雲の上にいる人……だったはずの彼女が、実は社会人になってからは挫折の連続だったことを、新刊の『挫折からのキャリア論』(日経BP)で告白している。

「勉強ができる優等生でいることと、社会人になって仕事ができることは、まったく別物。私は教師の指示をクリアしていく、日本の教育システムに合っていただけです。社会人デビューをしてから、突然『自分で考えて行動しろ』と言われても、何もできなかった」

 そう話す山口さん。ではその優等生は、どんな青春時代を過ごして、どんなマインドで勉強をしていたのか。ご本人に当時のことを聞かせてもらった。【全3回の第1回】

動く歩道でもスーパーのレジでも「絶対に負けたくない」

 彼女が「自分は勉強ができるのかもしれない」と自覚したのは、小学2年生の頃。勉強が得意というよりは、同じく優等生だった同級生たちに負けないために必死だったそう。そして“負けず嫌い”は今もまったく衰えていないという。

──小中学生だとクラスメイトと仲良くしているのが一般的ですが、当時から成績優秀だった山口さんからすると、同学年の多くの生徒たちはどんなふうに見えていたのでしょうか? 友達? それともライバル?

山口真由さん(以下、山口):私みたいに学年で1番を取ろうとしている学生だと……学年やクラスの人数が何人いようと、誰が友人関係にあろうと関心がまったくない。意外と視野は狭いんですよ。

──ずっと学年1番の成績をキープしていた山口さんのレベルだと、同級生たちが「私より勉強ができないんだから」と見下すようなことはなかったですか?

山口:そんなことは考えたこともなかったですね。ただ隣にいる人に勝ちたい、その一心なんです。この負けず嫌いはいまだに続いていて、私、動く歩道でも「この人には負けない」と、ひとりふたり相手をマークして、絶対に負けないように歩いていますもん(笑)。

──動く歩道は勝負するためのスペースではないですよね(笑)。

山口:いやそれでも絶対に負けたくないです。特に気にしているのは、東京駅の動く歩道に続くスペースですね。歩道の手前にエスカレーターがあるんですけど、そこから私の戦いは始まっている。しかもそのエスカレーター、時間帯によって速度が違うんですよ。この事実に気づきながら、遅いほうに乗って、ライバルに抜かれていくときの気持ち……。二度とあの屈辱は味わうまい! と思います。

 スーパーのレジでもそうです。より早く会計を済ませたいので若いお客さんがレジに並んでいる列を選ぶようにしているんです。そのほうがスムーズにレジは進みますから。でもある日、私の前の若いお客さんが「ポイントカードってなんですか?」と、店員さんに質問を始めちゃって……あのときの絶望感……。

──その生活は疲れそうですね……。

山口: 確かにそうですね。最近は少し疲れてきました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
退職した尾車親方(元大関・琴風)
尾車親方、相撲協会“電撃退職”のウラで何が…「佐渡ヶ嶽理事長」誕生を目指して影響力残す狙いか
週刊ポスト
5月13日、公職選挙法違反の疑いで家宅捜索を受けた黒川邦彦代表(45)と根本良輔幹事長(29)
《つばさの党にガサ入れ》「捕まらないでしょ」黒川敦彦代表らが CIA音頭に続き5股不倫ヤジ…活動家の「逮捕への覚悟」
NEWSポストセブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
女性セブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン