「田舎はどこもこうなんですか?」「地元の有力者に従わなかったら出ていけと言われました」──今年5月、高知県土佐市新居の施設にあるカフェがTwitter(現X)に投稿したことから始まった騒動。収拾を図るべく、施設を所有する土佐市、カフェ、そして施設の指定管理者となっているNPO法人の3者協議が続いていたが、ついにNPOが協議から脱退。カフェも閉店を決めるという結果に終わってしまった。SNSでは「田舎の老人が若者を追い出した」と批判を受けているNPO法人の理事長が、カフェの主張に反論し、土佐市の対応に不満を明かした。
まずは騒動を振り返る。
5月10日、新居にある観光交流施設「南風(まぜ)」の2階にあるカフェ「ニールマーレ」がTwitterにある投稿をした。カフェは土佐市への移住者らによる企業組合が経営していて、施設の指定管理者のNPO法人「新居を元気にする会」に月約10万円の利用料を支払い、2016年から営業していた。
「カフェ側のTwitterによると、昨年6月、突然、NPO法人の80代理事長が退去通告を持ってきたといいます。通告書にはNPO法人の印鑑も押されていたが、他の会員に同意を得ず、この理事長の独断によるものだったと主張。土佐市が指導に入り、この通告は取り消されましたが、NPO側は今年4月以降の利用者は公募で決めることを決定。審査で別の業者になったため、カフェは今年3月末で撤退せざるを得なくなった。
これに対して、カフェ側はTwitterでNPO側との一連のやり取りを明かす漫画を投稿。さらに、この80代理事長から、カフェの女性店長がパワハラ・セクハラを受けていたことも明かしました。これだけでも“地方移住者の若者を地元有力者が追い出した”という構造で十分炎上する内容でしたが、カフェ側が『騒動をSNSで発信する』と伝えたところ、80代理事長が『たかがSNSや』と鼻で笑ったことで、ユーザーの反感を買い、“大炎上”に。市内幼稚園に誘拐予告メールが届いたり、土佐市役所に爆破予告メールが届くなど日本中を騒がすことになった」(ネットニュース編集者)
その後、7月から問題解決のため土佐市を交えた3者協議が開かれていた。しかし、初回交渉後、市への対応に不信感を持ったとしてNPO法人が協議への離脱を決定。市側が復帰を促すも、復帰の意志は見られず、カフェも施設から撤退し、別の場所で新たに店を開くことになった。
これが報じられるや、再びSNSでは〈話し合いの場にも出てこないなんて、このNPO法人に運営は任せられないんじゃないの?〉〈田舎のルールに従わない若者、移住者は受け入れないスタンスでいる田舎の年寄りのせいで田舎から若い人が出て行きます〉とNPO法人へのコメントが相次ぎ、いまも炎上は続いている。