1年の締めくくりとして毎年、大きな話題となる『NHK紅白歌合戦』の司会に、有吉弘行(49才)が選ばれた。有吉は昨年秋の改編で、全曜日・全局のGP帯(ゴールデン・プライムタイム)に冠番組を持つという偉業を達成。そしてこの度、視聴率・注目度とともに他を圧倒する“最強の番組”の司会を担当することに。
「紅白の司会は長らく、大河の主役や朝ドラの出演者など、NHKへの貢献度が高い人が選ばれる傾向がありましたが、変化が生まれたのは2017年の内村光良の起用です。内村はNHKでコント番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』をやっていますが、決してNHKと関係が深いわけではないのに司会に選ばれた。貢献度よりも人気や知名度が重要視されるようになったのです。
その傾向がより鮮明になったのが、昨年の橋本環奈の器用です。彼女はNHKとほとんど縁が無かったのに司会に抜擢され、“とにかく一番旬な人を使う”という方針は明確になった。有吉は2019年から『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』をやっているので、NHKとはそれなりに関係がありますが、『カネオくん』は週1回、40分弱の番組。紅白といえども近年は打ち切り説まで流れるほどですから、貢献度よりも数字を取りにいこうという結果が、有吉の抜擢だったということです」(キー局関係者)
贅沢を言えば、有吉と並ぶ当代きっての売れっ子で、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)でタッグを組むマツコ・デラックスも呼べばより一層話題になっただろうが、それは欲張りすぎというもの。有吉と音楽番組という組み合わせには新鮮味があり、紅白でしかお目に掛かれないような大物歌手とのやりとりも楽しみだが、得意の毒舌が聞けるかどうかは微妙だ。
「紅白は放送時間が例年4時間以上という長丁場ですが、ガチガチに進行が決まっています。2020年から3年連続で司会を務めた大泉洋は、オープニングでほんの少し喋ったら、あっという間に“巻き”の合図を出されたと話しています。
歌の合間のトークでは一見アドリブのようなやりとりも見られますが、あれも実際はほぼすべて台本通り。台本は700ページ近くあって、喋る内容だけでなく、答えを聞いた時のリアクションや審査員のコメントまで書かれていて、有吉が自由に話す余地などありません。番組のメインである歌は削ったりテンポを早めたりすることは出来ませんし、番組内では各所からの中継や、バラエティに富んだ出し物もある。天下の有吉といえども、スムーズに進行するので手一杯でしょう」(芸能記者)