左が陽子夫人、右は長男の陽集氏(写真は2005年/写真=共同通信社)
デイリー前社長に「今は楽しい」
第一次政権時代の岡田氏の表情は、今とは大きく違っていた。当時、めったに笑顔を見せなかった岡田氏は、ベンチ内外から「怖い」という印象を持たれていた。改発氏が振り返る。
「以前はベンチで喜怒哀楽を出さず、ニコリともしないし、バンザイもしない。常にピリピリしていて怖かったですから。その頃の印象がチーム内で伝説化してしまい、矢野(燿大・前監督)が辞任を発表した後、当時を知らない今のフロントまでもが、誰一人、岡田を推さんかったほどです(笑)」
マスコミにも厳しく、番記者が「投手はどうするんですか」と聞いても、「なんでお前らに言わなあかんねん」「敵に作戦が伝わるやないか」といった具合で、一切応じなかったという。
「でも、今年はニコニコしながらローテーションはどう、代打はどうこうと野球の作戦をしゃべっていますからね。岡田の奥さんが以前、『主人は“侍”なんです』と表現していましたが、まさに言い得て妙。侍とは“寄らば斬る、触れれば斬る”と常に怖さを身にまとっている。敵に対しては当然ですが、岡田は味方のフロント、マスコミ、ファンに対しても“侍”だった」(改発氏)
(後編へ続く)
※週刊ポスト2023年11月10日号