最近ではネットで結果がわかるように(時事通信フォト)
第1志望校不合格の現実をしっかり伝えよう
それでは、上記の相談に回答していきましょう。
第1志望校不合格の現実を隠して、翌日以降の入試に向けたモチベーションを下げないようにしたいとのこと。しかし、わたしから言わせれば、これは「大問題」です。お子さんだって、第1志望校の入試終了後の説明で、合否発表の出る時間は知っているでしょう。その結果をひた隠しにしたら、お子さんはモヤモヤしたまま明日の入試を迎えてしまいます。そして、子どもは保護者が思っている以上に、保護者の顔色から「真実」を嗅ぎ取ります。そういうものです。
中学受験の主役はお子さんです。いままで長い時間をかけて受験勉強に専心してきたのも、それこそ入学試験を受験したのもお子さんです。結果を受け止めなければならない当事者です。わたしは「親が先に結果を確認してしまった」こと自体、あまり褒められたことではないように感じます。
ここは、お子さんの目をまっすぐに見て、「第1志望校不合格」という「現実」を伝えましょう。
お子さんは塞ぎ込んでしまうかもしれませんし、取り乱すかもしれません。保護者にとっては胸が張り裂けそうな思いをするでしょう。ここはお子さんと一緒になって全身で悔しがり、悲しがり、涙を流しましょう。そこに「演技」など一切不必要です。
そして、お子さんの涙が枯れ果てたときを見計らい、翌日の受験校の「過去問」などに取り組ませましょう。また、こういうときこそ塾の出番です。塾に連絡した上で、明日以降に向けた具体的な方策を講師たちから練ってもらいましょう。こういう行動の後回しは致命的になりますし、保護者は「いまできることは何か」……あれこれ考えを巡らして、明日以降の入試にお子さんが少しでも前向きに臨めるよう、導いてほしいのです。