目の前にいる受験生は「まだ子ども」

 そして、保護者はわが子を全身で励ましつつ、頭を冷静に働かせ、良くない結果がこのあとも続くことを想定し、2月3日午前・午後、あるいは4日午前に実施される「安全校」の入試に出願する準備を整えておくことです。この点は、お通いの塾の講師に相談するとよいでしょう。つまり、お子さんの学力レベルから数段下げた位置にある「確実に合格できる学校」を急遽追加するということです。

「え!? でも、そういう学校に進学するつもりはないのですが……」

 そんなふうに戸惑われるかもしれません。

 そうではないのです。「合格」という結果がお子さんにもたらす効果は絶大であるということを言いたいのです。「合格」はそれまで沈んでいた気持ちに活力を与えます。「そんなの子ども騙しではないか」と思われるかもしれません。そうです。目の前にいる受験生はまだ小学校6年生、子どもなのです。わたしのこれまでの経験上、このようにいきなり受験した「入試に臨むことさえ考えなかった学校」の合格の報を目にしたら、それをきっかけに「自信」を取り戻せる場合が大変に多いのです。

 第1志望校不合格という悲しみを乗り越えて、1校でも合格を勝ち取ることができたならば、その「合格」は翌日以降の入試に向けて大きな原動力となります。翌日以降も闘えるような心持ちになれるはずです。

 子どもたちは入試本番という「短期間」でたくましく成長します。保護者は息子さんの強さを信じて、最後の最後まで応援してやってください。

 皆さんのお子さんに笑顔の春が訪れることを心から祈っています。

※『ぼくのかんがえた『さいきょう』の中学受験──最強と最凶の分かれ道』(祥伝社)から一部抜粋、大幅加筆。

ぼくのかんがえた「さいきょう」の中学受験(祥伝社新書)

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