「食」をアップデートする製品の企画・開発・製造・販売を行う「KIWAMIYA亭」が、鋳鉄ホーロー鍋「COOK-X」を発売した。
深さ15cmの鍋と、裏返せばフライパンになる鍋蓋は、茹でる・蒸す・煮る・焼く・炒める・炊く・揚げる・オーブンの8つの調理が可能。炒め物をしながらスープを作ったり、野菜と魚をそれぞれでグリルするなど1台で2役の活躍をする。
さらに、内蓋として、鍋のふちに密着するシリコン蓋が付属する。材料を入れて加熱すれば、野菜など素材の旨みをたっぷり含んだ蒸気が対流し、無水調理ができる。
耐久性にもこだわった。同社が目指したのは「一生使えるホーロー鍋」だ。
「ホーロー鍋は塗装が剥がれてしまうと買い替えを検討する場合が多いと知り、そういった不安を払拭したいという思いで開発を進めました。
20回以上の試作を繰り返し、鉄含有率95.6%の素材にプレミアムエナメルなど7層のコーティングを施して、欠けや傷、ひび割れを防ぎ、損傷しにくい構造に仕上げました。
つるりとしたエナメル塗装なので、汚れを落としやすいのも利点です」(同社共同代表の矢島友和さん・以下同)
鍋は耐熱温度が280℃あれば申し分ないといわれるが、本製品は320℃の高温にも耐える。これは業務用レベルの火力でも使える品質だ。
とはいえ、素材を厚くすればいいというわけではない。
「厚みが増すほど耐久性や蓄熱性は上がりますが、同時に重量が増し、扱いにくくなってしまいます。そこで、蓋や側面は3.5mm、底部分を3.7mmの厚さに設定し、本体の重さを4kgに抑え、頑丈さと使い勝手のよさのベストバランスを導き出しました」
四角い形にも理由がある。
「鍋は丸いというイメージがありますが、四角にすると肉や魚など大きめの食材が丸ごと入るなど、利便性が向上します。かつ収納スペースは丸形と大差ありません。
しかし、通常のおたまでは角にある食材をすくいにくいのが難点です。そこで鍋の角にフィットするシリコン製のおたまを付属。鍋底のコーナーにぴったりとはまり、すくい残しがありません」
全体のフォルムは逆台形を採用。スタイリッシュでありつつ熱回りがいいという。
蓋はフライパン仕様のため鍋つまみがなく、食器棚に収納しやすい。鍋とフライパンが合わさった形状は省スペースも叶えた。シックなブラックカラーも魅力的だ。
【商品DATA】
『COOK-X』/KIWAMIYA亭/2万2000円
サイズ/鍋口21×鍋底15.5×高さ18.3cm、重量/鍋4kg・蓋2kg
シリコン蓋・専用おたまが付属。ガスコンロやIH調理器、カセットコンロにも対応しており、アウトドア利用も可能。全部品が食洗機対応可。
取材・文/藤岡加奈子
※女性セブン2024年3月14日号