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南野陽子が振り返る『スケバン刑事』の思い出 「間違いなく私にとって“はじまり”の作品」

『スケバン刑事』をきっかけにトップアイドルへと駆け上がった南野陽子(時事通信フォト)

『スケバン刑事』をきっかけにトップアイドルへと駆け上がった南野陽子(時事通信フォト)

 1985年4月から始まったドラマ『スケバン刑事』シリーズの中でも、『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』は人気が高く、主演を務めた南野陽子は本作をきっかけにトップアイドルへと大ブレイクした。

「当初は『学園もの』と聞いていました。ところが、打ち合わせに行くたびに『アクションがある』『鉄仮面を被る』『土佐弁のセリフ』と、想像もしていなかった展開になりました(笑)」(南野、以下カッコ内同)

 小学生の頃から運動が苦手で、第1話から激しいアクションに苦戦を強いられることになった。

「『遅い』とか『どんくさい』とか、『帰れ!』なんて言われてできない自分に泣いたこともあります。でも、カメラワークやカット割を工夫するなどスタッフさんの知恵を寄せ合って、だんだん形になっていったんです。みんなで画を作り上げていく現場は勉強になったし、とても楽しかった」

 ヨーヨー使いや「おまんら、許さんぜよ」などの決めゼリフが話題となり、ドラマは大ヒット。約1年におよんだ長期放送の最終回の視聴率は、19%を超えた。放送終了後には劇場版も公開。主題歌としてリリースした『楽園のDoor』は自身初のオリコンチャート1位を獲得し、南野は一躍トップアイドルの仲間入りを果たした。

「鉄仮面の設定など原作から離れた内容ですが、作者の和田慎二さんも『描きたかったサキの姿』と絶賛してくれました。間違いなく私にとって“はじまり”の作品。このドラマがなければ、きっとすぐに地元に帰って今頃は孫の誕生を祝っていたかも(笑)」

襲名制となった主人公「麻宮サキ」

『スケバン刑事』がどんな作品だったのか、あらためて振り返ってみよう。原作は、累計発行部数2000万部を超える和田慎二の人気コミックだ。

 初代スケバン刑事・麻宮サキを演じたのは、斉藤由貴。斉藤も歌手デビューの2か月後にドラマ初出演にして初主演を果たした。ヨーヨーを武器に悪の組織に立ち向かう美少女という構図が若者に広く支持され、最高視聴率17%を記録した。サキの生死が不明で最終回を迎えると、南野陽子主演の2作目から「麻宮サキ」の名が襲名制となる。

 2作目でサキが特命刑事から解任され、浅香唯主演の3作目で忍者の末裔が3代目を襲名する。主役を務めた3人は、いずれも同作をきっかけにブレイク。3作目から18年後となる2006年には、松浦亜弥を主演に据えた最新作『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』が劇場公開された。

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