山本さんの遺品となった台本を手に共演者と写真におさまる夏樹(右から2人目)
「時々、現れてくださる」
志半ばで、病に倒れた山本さん。彼女の無念を晴らすべく、代役を引き受けたのが生前親交のあった女優・夏樹陽子(71才)だった。
モデルから女優に転身する際、憧れだった山本さんにあやかって芸名を「陽子」とした夏樹。山本さんの代役オファーについては「運命だと思った」と語っている。
「訃報は代役のオファーで知ったそうです。もともと仕事が落ち着いたら、『一緒にゴルフに行こう』と約束していたこともあり、最初は“信じられない”といたくショックを受けていました。ただオファーには“自分がやるべきこと”と即答で引き受けた。10日くらいはプレッシャーで眠れなかったみたいですが。
急だったので、チラシ用の写真を撮る暇がなく、いまチラシに使っているものは以前、別の仕事で撮った写真なんだそうです。『作品の雰囲気に合うような、笑っていない写真を探すのにかなり時間がかかった』と話していました」(別の芸能関係者)
急ピッチで準備を進めるなか、夏樹は山本さんを感じることもあるそうだ。
「最初の本読みの際、『(山本)陽子さんだったら、どう言うかしら』と頭をよぎったと話していました。それから『時々、現れてくださるとありがたいな』とも言っていましたね。
脚本は山本さんの言い回しをイメージしながら書かれているそうですが、夏樹さんはすっかり自分のものにして、夏樹さんなりの役柄を確立しています」(前出・別の舞台関係者)
山本さんの遺族から舞台関係者に託されたこの台本、公演が始まったら当然、劇場にも運ばれる予定だ。
「稽古場に置きっぱなしにしたら寂しいだろうからと、いまはスタッフが毎日持ち帰っています。
公演が始まったら、お芝居が見たいと思うんですよね。だから、客席からみんなを見守ってもらうのがいいんじゃないでしょうか。いずれにしろ、常にわれわれと一緒です」(前出・舞台関係者)
波瀾万丈の女優人生を全うした山本さん。4月になればきっと、この台本とともに、舞台を温かく見守ってくれるはずだ。
※女性セブン2024年4月4日号
舞台の台本
せりふ以外に、プライベートな書き込みもあったという
台本には山本さんの舞台への情熱の跡が