ライフ

藤井聡太八冠、将棋会館新設のためのクラファンで八面六臂の大活躍 3万円“パイナップル星人”コラボパーカーは2000枚近く売れる

 将棋の第49期棋王戦コナミグループ杯で初防衛し、花束を手にする藤井聡太棋王=17日午後、栃木県日光市

2023年度は自己最高となる勝率8割5分2厘を達成(共同通信社)

「いい将棋を指せるよう、しっかり準備、調整していきます」。3月30日に東京・練馬区で行われた小学生向けの将棋イベントで藤井聡太八冠(21才)は、今期の活躍を誓った。

 昨年、史上初となる八大タイトル全冠制覇を成し遂げ、日本中にフィーバーを巻き起こした藤井八冠。いま、彼が対局以外に注力していることがある。

 日本将棋連盟が将棋会館を新設する費用を集めようと始めたクラウドファンディング(以下、CF)だ。CFとは、インターネット上のサイトを通して、あるプロジェクトに共感する不特定多数の人からプロジェクトを達成するための資金を調達するシステムだ。支持者は商品やグッズ、サービスなどの返礼品を購入することで応援したい企業や人を支援できるのが特徴だ。

「2021年10月に第1期がスタート。4月1日から第6期が始まっており、2日時点で3000万円以上集まっています」(全国紙記者)

 CFに挑戦する理由について、将棋ライターの松本博文さんが語る。

「将棋連盟には自分たちの手で必要な資金を集める伝統があります。東京と大阪の将棋会館を現在のビルに建て替えた際にも、ファンや企業から寄付を募りました。寄付の手段を現代風にアップデートしたのがCFだったわけです。

 将棋はこれまで、囲碁と比べると、ファン1人あたりが使うお金が少ないといわれてきました。そうしたなかで、寄付金は重要な資金源です」

 CFは当初から全6期を予定し、目標額は1期につき1億円と設定した。

「渡辺明九段(39才)がプロデュースするカーリングイベント(17万円)や、人気棋士たちとまわる将棋会館見学ツアー(7万円)などレアな返礼品が注目を集めました。しかし第1期は目標額を大きく上回ったものの、以降はやや厳しく、支援総額が目標額の半分にも届かない期もありました」(松本さん)

 このままでは目標額の6億円に到達できないかもしれない──。苦戦する将棋連盟の救世主となったのが藤井八冠だ。

「4期までは、藤井名人の返礼品はサイン色紙のみでしたが、2023年10月に始まった5期から大きく変わったのです」(将棋関係者)

 藤井八冠は棋士になった頃、「絵と歌には絶対に手を出さない」と心に決めていた。しかし、そんな彼が自分を育ててくれた将棋連盟のために奮起したのだ。

「グッズ製作のため、藤井名人が大好きだというパイナップルをモチーフにしたオリジナルキャラクター『パイナップル星人』をご自身が描いてくれました。パイナップルに大きな手が生え、ぎょろっとした目がついた独特の風貌ですが、これが大ヒット。『パイナップル星人』と、ネコをモチーフにした作品などで知られる人気画家・ヒグチユウコさんがコラボしたパーカーは3万円と決してかわいくないお値段でしたが、2000枚近くを売り上げました」(前出・将棋関係者)


パイナップル星人の"誕生"の瞬間には羽生善治九段も居合わせた。(画像はオークションのホームページより)

パイナップル星人の“誕生”の瞬間には羽生善治九段も居合わせた。(画像はオークションのホームページより)

 ほかにも藤井八冠と永瀬拓也九段(31才)の特別対局の生観戦権は80万円という高額にもかかわらず30分ももたずに完売。第5期だけで3億円以上の資金が集まり、藤井八冠の集金力が際立つ結果となった。

 第6期も、藤井八冠の直筆色紙や、藤井八冠とコラボしたピカチュウのぬいぐるみなど、藤井グッズが目白押し。まさに八面六臂の大活躍で、藤井フィーバーは当面続きそうだ。

※女性セブン2024年4月18日号

藤井聡太八冠(右)と日本将棋連盟の羽生善治会長(時事通信フォト)

藤井聡太八冠(右)と日本将棋連盟の羽生善治会長(時事通信フォト)

色紙にしたためた「八冠」の堅持のための次のタイトル戦は、2024年1月から始まる菅井竜也八段との王将戦

色紙にしたためた「八冠」の堅持のための次のタイトル戦は、2024年1月から始まる菅井竜也八段との王将戦

関連記事

トピックス

NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
被害者の村上隆一さんの自宅。死因は失血死だった
《売春させ、売り上げが落ちると制裁》宮城・柴田町男性殺害 被害者の長男の妻を頂点とした“売春・美人局グループ”の壮絶手口
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
突然の「非常戒厳」は、国際社会にも衝撃を与えた
韓国・尹錫悦大統領の戒厳令は妻を守るためだったのか「占い師の囁きで大統領府移転を指示」「株価操作」「高級バッグ授受」…噴出する数々の疑惑
女性セブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン