2022年の二所ノ関部屋立ち上げ時の様子。二所ノ関親方、中村親方が中央に並んでいる(時事通信フォト)
稽古相手の不足も不安要素に
中村親方は尾車部屋付きの親方だった時代から出身校の日体大OBを中心に友風、宮城ら内弟子を獲ってきた。2022年に内弟子8人を引き連れて二所ノ関部屋に合流後も、日体大の嘉陽と白熊(高橋=当時)を入門させた。中村親方の独立となれば、そうした内弟子を引き連れて部屋を興すことになる。前出の二所ノ関一門関係者が言う。
「二所ノ関部屋には現在、24人の弟子がいるが、中村親方が独立となると友風、白熊、嘉陽、宮城、麒麟龍、和氣の里など8~10人が一緒に移籍するとみられている。大の里は日体大出身で、中村親方や白熊を頼っての入門ではあったが、二所ノ関親方の弟子ということで移籍はせずに二所ノ関部屋に残ることになる。
現在も部屋の番付最上位は新小結の大の里だが、幕内の友風、十両の白熊、幕下上位の嘉陽、宮城、麒麟龍などが大量に抜けるとなれば、大の里の稽古相手がいなくなるのが不安。さらに心配されるのは大の里にとっての重しがなくなること。
同じ日体大出身の先輩だった友風、宮城、嘉陽らに加え、中高大と1学年上で頼ってきた白熊の存在は大きかった。日体大の大先輩である中村親方も含め、先輩たちに見守られながら大の里はのびのびやってきたわけだが、先輩たちが押さえを利かせてきた面もある。そうした監視の目がなくなった時に、どうなるのか。週刊新潮が報じるようないじめがあったとすれば、エスカレートする懸念もゼロではない。師匠である二所ノ関親方の指導力が問われることになる。二所ノ関親方は将来の理事長候補といわれてきたが、最悪の場合、理事にもなれない事態になりかねない」
令和の大相撲を担うことが期待される大の里の先行きには、まだひと山もふた山もありそうだ。