ライフ

創刊50周年『GORO』の時代をプレイバック カルチャー、政治、国際情勢、グラビア、オカルトなど若者の好奇心を刺激する全てがあった

若者の好奇心を刺激するすべてが『GORO』にあった

若者の好奇心を刺激するすべてが『GORO』にあった

 かつて若者の好奇心を刺激し、一斉を風靡した雑誌『GORO』が創刊したのは1974年。今年で創刊50周年となったのを記念し、その時代を振り返ってみよう。

《GOROは74年を“人間元年”と考えたい》──創刊号の巻頭で高らかに謳ったコピーは、高度経済成長に陰りが見え、「シラケ世代」と呼ばれる若者たちの胸を貫いた。国家の利益を追求する時代から、個人の幸福を実現する時代への転換期にあって、価値観の修正を高らかに宣言したのだ。

 創刊した高校3年時からの愛読者だったというコラムニストの泉麻人氏が語る。

「『GORO』という英字のタイトルはインパクトがありました。従来の男性向け雑誌より一回り大きいサイズも画期的で、高3の僕は女優や歌手のピンナップを第一の目当てで買っていました。エルザとか三東ルシアとかね。エロをやってもどことなく洗練されていましたね。文化人の麻雀特集からも大いに学びました」

 そこには人間としての成長に必要なあらゆる栄養が詰まっていた。

【ライフスタイル】若者の好奇心をくすぐるカルチャー情報を発信

“ブンガク女子”に学ぶ知的会話のススメ。読書好きの女子大生に好きな小説をリサーチ。アイザック・アシモフから三島由紀夫、田中康夫まで、幅広い作家・作品の名が挙がった(1981年5月28日号)

“ブンガク女子”に学ぶ知的会話のススメ。読書好きの女子大生に好きな小説をリサーチ。アイザック・アシモフから三島由紀夫、田中康夫まで、幅広い作家・作品の名が挙がった(1981年5月28日号)

『GORO』はファッションやクルマ、スポーツなど、若者の関心が高いカルチャーを幅広く発信していた。

「こんなものがあるよ、と紹介したというより、時代の求める生き方や考え方を提示していったという方が近いですね」

 こう語るのは『GORO』でビートルズや矢野顕子など、注目すべきアーティストを紹介してきた作家・編集者の北山耕平氏。当時の編集者・島本脩二氏(故人)に招かれ、1976年から『GORO』での執筆を始めた。

「島本さん含め5~6人で話し合いながらグループで企画を作っていました。当時、私は山梨県富士吉田市に住んでいたのですが、編集部に行く時にはタクシーでした(笑)」

 雑誌に最も勢いのあった時代は、若者たちの変化も早かった。それを如実に感じたという。

「学生運動の熱が冷め、若者は自分探しを始めた。やがて彼らの関心は自分なりの楽しみを見つけることに移っていきました。オンナや旅、そしてロックと、『GORO』は時代の流れに必死に食らいつきながら、新しいライフスタイルを提案していったのです」

 創刊号でデヴィ夫人のヌードを掲載、1年後に始まる篠山紀信氏の「激写」シリーズでは山口百恵やアグネス・ラムなど時代を象徴する女性たちが登場。グラビアが話題を呼ぶ一方、女子大生へのあけすけな意識調査などの読み物も男たちの心をくすぐった。

『GORO』の記事やグラビアに若者の妄想力が育てられ、掻き立てられたイマジネーションが、日本を代表する漫画やアニメを生んだとも言われている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン