政治評論家の木下厚氏が考えるシナリオ「若手の反乱で菅総裁が再登板」
進次郎氏が総裁選出馬に動いていないのも、「菅再登板」の可能性を探っているからという見方ができるのだ──。
政治のプロたちは、たとえ候補者が乱立しても、結局、自民党総裁選は「石破支持か、石破阻止か」を軸に展開され、キングメーカーの麻生氏と菅氏が対立するか、手を組むかの判断で最終的な形勢が分かれると見ている。
だとすれば、自民党が野党だった2012年総裁選で、党員の過半数の支持を集めた1位の石破氏を、森喜朗・元首相ら自民党の長老・ベテラン議員たちが決選投票で落選させた時と構図は同じだ。たとえ派閥が解散しても、自民党の論理は変わっていないことになる。
そうした状況になった時、進次郎氏らの若手が「こんな総裁選では自民党は終わってしまう」と決起し、菅氏など思いがけない候補を立てるハプニングが起きるのか。それは自民党議員たちが実力者たちの考えに流されるのか、あるいは「党を変える」という決意で長老支配を終わらせる覚悟があるかによって分かれると言えそうだ。
※週刊ポスト2024年8月9日号