芸能

映画『九十歳。何がめでたい』がロングランヒット 勝因は“初動3日間”の好成績を導いた効果的なプロモーション

興行収入10億円を突破!

興行収入10億円を突破!(c)2024映画「九十歳。何がめでたい」製作委員会 (c)佐藤愛子/小学館

 草笛光子さんが御年90歳にして作家・佐藤愛子さんを演じ、初の映画主演を務めた『九十歳。何がめでたい』。公開46日で興行収入10億円を突破。現在も上映館数こそ減ったもののロングランが続いている。公開前は「いって5億円」と言われた作品がなぜこれほど──。

 映画ジャーナリストの宇野維正さんは、初週の快進撃が功を奏したと語る。

「シネコンでは初動3日間の成績が上映回数の判断材料となるので、ここで結果を残せたことが大きかった。ネットより口コミからヒットに繋がる年配層へ向けてしっかり対策し、上映機会を確保できたことが“勝因”といえます」

 前評判をよそに6月21日の公開日から3日間で11万8000人を動員し、国内映画興行ランキングで初登場2位をマーク。「元気をもらえた」「泣いた、笑った」などと口コミがじわじわと広がり、客足はどんどん伸びていった。

 しかし、裏を返せば、初動が悪かったら公開早々に打ち切られた可能性があったということ。シネマコンプレックスが主導する今の環境はそれぐらいシビアなのだ。初動がよかった背景には、今作と同じく前田哲監督と草笛さんがタッグを組んだ映画『老後の資金がありません!』(2021年)があると宇野さん。

「コロナ禍で映画館から遠のいたシニアを呼び戻す足掛かりとなった話題作で、この作品が『九十歳〜』の封切り前にテレビで初放送されたんです。週末の午後というイレギュラーな時間帯だったのも、ターゲットを年配層に絞っていたためでしょう。放送後はすぐに『九十歳~』の宣伝が続き、視聴者を映画館へと誘導する動線が自然に作られました。両作品の配給会社は違うのですが、いずれもTBSの岡田有正さんが企画・プロデュースを担当したので効果的なプロモーションが実現しました」

 一方、ヒロインの草笛さんの存在感を第一に挙げるのは映画評論家の秋本鉄次さんだ。

「年齢を重ねると誰かの母親役や脇役へ回ってしまうところを、90歳の草笛さんがメジャー作品で堂々と主演を張られた。衰え知らずの女優ぶりと活動寿命の長さに惚れ惚れしました」

関連記事

トピックス

釜本邦茂さん
メキシコ五輪得点王・釜本邦茂さんが語っていた“点取り虫”になる原点 “勝負に勝たなければならない”の信念は「三国志」に学んでいたと語る
NEWSポストセブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴行動画に批判殺到の花井組》社長らが書類送検で会社の今後は…元従業員は「解体に向けて準備中」、会長は「解体とは決まっていない。結果が出てくれば、いずれわかる」と回答
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
追悼 釜本邦茂さんが語っていた“理想の最期” 自身の両親のように「誰にも迷惑をかけず逝きたい」と話し、「葬儀ではマツケンサンバを」と笑顔で語る一幕も
NEWSポストセブン
ベッド上で「あー!」
《大谷翔平選手の“アンチ”が激白》「すべてのアンチに、アンチとしての覚悟を持ってほしい」地獄の応援芸・740km超えマラソンでたどり着いた“アンチの矜持”
NEWSポストセブン
猫愛に溢れるマルタでは、動物保護団体や市民による抗議活動が続いているという(左・時事通信フォト)
《深夜に猫地面にたたきつける動画》マルタで“猫殺し”容疑で逮捕の慶應卒エリート・オカムラサトシ容疑者の凶行と、マルタ国民の怒号「恥を知れ」「国外に追放せよ」
NEWSポストセブン
大神いずみアナ(右)と馬場典子アナが“長嶋茂雄さんの思い出”を語り合う
大神いずみアナ&馬場典子アナが語る“長嶋茂雄さんの思い出”「こちらが答えて欲しそうなことを察して話してくれる」超一流の受け答え
週刊ポスト
夜逃げした「郷土料理 たち川」に、食品偽装があったという(左はinstagramより、右は従業員提供)
「飛騨牛はホルスタイン、天然鮎は養殖モノ…」岐阜・池田温泉、町が委託したレストランで“食品偽装疑惑”「仕入れ先が減り、オーナー自らスーパーで割引の商品を…」【7月末に夜逃げしていた】
NEWSポストセブン
痩せる前のエヴィヤタルさん(インスタグラムより)
「弟はもはやガイコツ」「この穴は僕が埋葬される場所だろう」…ハマスが“人質が自分の墓を掘る”動画を公開し世界各国から非難噴出《飲まず食わずで深刻な飢餓状態》
NEWSポストセブン
本州に生息するツキノワグマ。体長120~180センチほど。最近では獣害の被害が増えている(イメージ)
《襲われる被害が多発》クマに悩まされる養蜂家たちが告白 「今年はあきらめるしかない…」「槍を作って山に入るヤツもいる」
NEWSポストセブン
デコラファッションで小学校に登校していたいちかさん、中学生となり衝撃の変貌を遂げていた…!
《デコラ小学生が衝撃の変貌》グリーン&ゴールド髪が“黒髪少女”に大転身「ほぼスッピンのナチュラルメイクで中学に登校する」意外な理由とは
NEWSポストセブン
昨年に第一子が誕生したお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行、妻・沢井美優(右・Xより)
《渋谷で目立ちすぎ…!》オレンジ色のサングラスをかけて…ティモンディ・高岸、“家族サービス”でも全身オレンジの幸せオーラ
NEWSポストセブン