元職員Aさんも体験した給与未払い。この頃からすでに、運営の事務対応に関して不信感があったという
5ヶ月前にもあった“未払いトラブル”
Aさんは今回の問題の発端となった“未払いトラブル”と似たような出来事にも巻き込まれていた。
「4月末に入るはずの給与が振り込まれていなかったんです。LINEで運営会社の窓口となっているアカウントがあって、すぐそこに連絡すると『できる限り早めに確認するように努めますが、こちらはあくまで窓口のため確認に時間がかかってしまうかもしれない』とレスポンスされました。私の場合、そのあと振り込みがありましたが、今となってはその頃からすでに経営が危うかったのかなと思います。
またその施設を退職した後、転職先で保険や税金関係の手続きをしていたら『前の会社の退職手続きが済んでいない。社会保険が加入されたままですよ』と言われて、そのときも本社に連絡するはめになって……。お金にだらしないというか、『この会社は現場だけでなくて、事務もうまく回っていないのでは』と思いましたね。今の社長は3代目らしいですが、逃げずに職員や利用者にも説明するべきです」
運営会社に見解を問うため、施設に電話をかけると職員と思われる男性が対応。短い時間ながらもやり取りをすることができた。
──責任者の方に連絡をとりたいのですが。
「私はボランティアです」
──職員さんではないのですか。本社の責任者にあたる方や、社長さんと連絡はとれませんでしょうか。
「連絡は……とれないです。私は単なるボランティアです、なにも知りませんから。すみません」
9日に行われた足立区議会の決算特別委員会では、議会議員・長沢興祐氏がこの問題を議題に挙げ、これに対し足立区の福祉部長は「本来であれば民民(民間対民間) の話であるので事業者と利用者さまが相談してこの後どうするのかということをきちんと決めなければならない。(中略)課題としてはやはりそういった時にちゃんとケアする仕組みを作らないといけない」と語った。
杜撰なビジネス感覚で高齢者の命を扱うことは許されない。
(了。前編から読む)
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