ライトグリーンのリンクコーデでお出ましに(2025年9月21日、撮影/JMPA)
“Iライン”を引き立たせる「スカーフ」
雅子さまのコーディネートにおいて、特に目を惹くのが“紫色のスカーフ”だ。
「まるで水彩画のような美しいスカーフ1枚が全身を華やかに彩っていました。大判スカーフを颯爽とサイドで結ばれたコーディネートは、ロングジャケットとストレートパンツという“Iライン”のスタイルを引き立てていましたね」
スカーフのカラーは、世界陸上の東京大会のメインカラーである“江戸紫”を意識されたとも言われている。「東京らしさ」「気品」を表現する伝統色の江戸紫を取り入れたことで、大会のムードとも調和した素晴らしいファッションだと軍地さんは指摘する。
「江戸紫のスカーフを先に選ばれて、その色合わせとしてライトグリーンの洋服をそろえられたのかもしれません。紫と若草色の組み合わせは、平安時代の“襲(かさね)”と呼ばれる色目にも通じる、伝統的な組み合わせが秀逸です。十二単など、数枚の衣の重なりで色彩の美しさを楽しむ文化が“襲色目”。くわえて、緑と紫は補色の組み合わせ。雅子さまのセンスの良さが十二分に伝わるコーディネートですね。
キャリア官僚としてご活躍されてから、ご成婚当初には華やかなお色を積極的に着こなしていた雅子さまですが、その頃の生き生きとした、明るいファッションが最近戻ってきているように思えます。それと同時に表情もますます輝かしく、皇后陛下としての自信と威厳を感じます。愛子さまにも、そのファッションのセンスはしっかりと受け継がれているようです」
土砂降りの中でも、天皇ご一家の装いは眩しく輝いていた。