”被害”を周りに言い出せずにいたという
おもむろにスカートをまくり上げて
「いつもどおり女性の担任と授業をしていたところ、先生がコピーのために席を立ったんです。直後に石田が『勉強はどうですか』と言いながら隣に座ってきたので『楽しいです』と返した。
するとおもむろにスカートをまくり上げて、太ももを2〜3回さすってきたんです。無言で目をじっと見つめたまま、数十秒くらい……。ほんの1分間の出来事でした。誰にも見られない瞬間を狙ったのかなと思います」(同前)
恐怖を覚えた女性は母親に相談して、すぐに塾を辞めた。警察で被害届を出せなかったこともあり、母親は「泣き寝入りも考えた」という。しかし「ほかにも被害に遭っている子がいるかもしれない」という気持ちから、「スクールIE」の本社に全てを打ち明けた。
当時の録音データによると、担当者が石田容疑者に関する“調査”を約束しつつも、最終的に「本人は(被害者の)頭と肩を“ポンポンした”とだけ認めている」との結論に留まった。
NEWSポストセブンは女性の許可を得たうえ、「スクールIE」の運営会社である「やる気スイッチグループホールディングス」にも複数回、事実確認を行った。同社に対し「相談があったことをどう受け止めているか」「どんな再発防止に努めたか」などと質問したが、いずれに対しても「二次被害と被害者のプライバシー保護のため、お答えを差し控える」(同社広報部責任者)以上の答えは得られなかった。
被害者の女性が嘆く。
「トラウマがひどくて、死角になる場所や、男性の先生を極力避ける生活をしていた時期もありました。時間が解決してくれたけど、今でも性犯罪のニュースなどを見るとゾッとする時がある。申し訳ないですが、天罰というものがあるなら、石田にはそれが下ったんだと思います。
母は当時こと細かに、かつ冷静に石田の危険性を塾に訴えたのに、10年間野放しにしていたということでしょうか。もっと彼を注視していれば、被害者が増えなかったのではないかと思ってしまいます。自分の被害は事件化しませんでしたが、あれは一生ものの傷になるようなこと。今回、石田に触られた子を思うと胸が苦しいです」
教育者の立場を利用し、子どもを恐怖に陥れてきた石田容疑者。今後、司法は男にどんな判断を下すのか──。
(了)