葬送には多額の費用がかかる。冠婚葬祭に関する互助会組織「くらしの友」が2009年8月~2010年7月に葬儀を行なった喪主400人を対象とした調査では、葬儀費用の平均は「242万3000円」だった。その内訳は、葬儀業者に124万円、戒名や読経など寺社に支払った費用が52万6000円、そして会葬者の接待費が65万7000円となっている。
故人が地元を長く離れていたり、長男でなかったりすれば、墓も用意しなくてはならないケースが多い。「全国優良石材店の会」が行なったアンケート調査によれば、墓石の全国平均購入金額は「165万2000円」だ。さらに墓地の使用料となる霊園の永代使用料と年間管理料が加わる。
「永代使用料は地価や造成費、利便性と連動していて、慢性的に墓地不足状態にある都心では高額化が著しい。東京23区内で墓を作る場合、墓石代と合わせて300万円を超えるでしょう」(都内の霊園関係者)
すべてを合わせれば、実に500万円近い。家族を丁重に見送りたいと考えても、家計にのしかかる負担は大きい。
※週刊ポスト2010年12月17日号