国内

買い占められる様子を見て不要なものまで買っていく主婦たち

3月11日に起こった東北関東大震災当日、帰宅難民がコンビニやスーパーに駆け込み、食料品や飲料水、日用品を買い込んだという話はあった。その日限りの出来事と思っていたが、2日たっても品薄の状況は変わらない。都内だけでなく、東京に隣接している地域でも、事態はさらに深刻化している様子。

神奈川・横浜在住の主婦・A美さんは、13日の夜、「お米売ってないよ」とママ友からメールをもらい、翌14日朝9時過ぎ、半信半疑で近所のスーパーに出かけた。午前9時オープンのその店は、すでに人でごった返していた。もしものときの備蓄用に買っておこうとしたお米は、すでに昨日の夕方に売り切れだったので、隣のドラッグストアへ向かうも、ここも同じく売り切れ。急いで車で5分ほどのところにある百貨店に向かったのだが、ここで思わぬシーンに出くわした。

「まだオープン前だったのですが、全部で5つある入り口それぞれに、30人ほどの人が並んでいたんです。夫婦が多かったのですが、その人たちの会話を聞いてまたビックリ…。“私はトイレットペーパーと紙おむつのコーナーに走るから、あなたはカップ麺を棚からごっそりかごに入れてね”なんて作戦を練っていたんです」

行列のあちこちからオープンしたらどこに向かって何を買うかを相談する声が聞こえてきたという。

「結局ここでもお米は売り切れだったので、仕方なくレトルトのご飯コーナーへ。でも、みんな考えることは同じなんですよね。あっという間になくなりました」

さらにトイレットペーパーやボックスティッシュも完売。菓子パンもゼロ、焼き菓子もゼロという状況だったという。

「そんな光景を見ていると、自分も何か買っておかなければ、って思いになるんですよね。まだ家に買い置きがあるはずなのに、パスタの乾麺や牛乳と卵を確保。牛乳は冷蔵庫に残っていたけど最後の一本だったので、迷わず、かごに入れました」

そう話すA美さんは、都内で働くご主人に、近所では完売だった乾電池購入を頼んでいた。「予備のために」あらゆる種類の乾電池をゲットして、結局電池代だけで3000円以上かかった。どうしてこんな事態になってしまったのか? 大手スーパー関係者がこう話す。

「商品については、被災地や被災地に近い場所に製造工場がある場合はもちろんはいってこないので、その分、商品が少なくなっているのは事実です。ニーズが高まっている水やレトルト食品、カップラーメンなどは、各取引先にお願いしていますが、それでも被災地が最優先なので、全体量は減っています」

牛乳や卵も毎日入荷しているが、並べているうちに売れてしまうという。

「こんな事態になっているのは、お客様の心理として、震災に計画停電が続き、食品がなくなるのではという不安感が、買い占めに拍車をかけているんですよね。通常電池やカセットボンベなどは、春に向けて需要が落ちてくるものなので、メーカーさんも在庫を減らしきっている状況。今後の入荷について見通しがたっていない店舗が多いと思います」(前出・スーパー関係者)

※女性セブン2011年3月31日・4月7日号

関連キーワード

トピックス

4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
吉田鋼太郎と夫婦役を演じている浅田美代子(『あんぱん』公式HPより)
『あんぱん』くらばあ役を好演の浅田美代子、ドラマ『照子と瑠衣』W主演の風吹ジュン&夏木マリ…“カッコよくてかわいいおばあちゃん”の魅力
女性セブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
麻薬密売容疑でマグダレナ・サドロ被告(30)が逮捕された(「ラブ・アイランド」HPより)
ドバイ拠点・麻薬カルテルの美しすぎるブレイン“バービー”に有罪判決、総額103億円のコカイン密売事件「マトリックス作戦」の攻防《英国史上最大の麻薬事件》
NEWSポストセブン
宗教学者の島田裕巳氏(本人提供)
宗教学者・島田裕巳氏が皇位継承問題に提言「愛子天皇を“中継ぎ”として悠仁さまにつなぐ柔軟な考えも必要だ」国民の関心が高まる効果も
週刊ポスト
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《あだ名はジャニーズの風紀委員》無期限活動休止・国分太一の“イジリ系素顔”「しっかりしている分、怒ると“ネチネチ系”で…」 “セクハラに該当”との情報も
NEWSポストセブン
夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン
新潟で農業を学ことを宣言したローラ
《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言
NEWSポストセブン