ライフ

借用書書かせる時は「借り受けました」「完済します」が必須

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は、「友人に金を貸すのですが、借用書を書いてもらうのにきまりはありますか?」と、以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 友人から金を貸してほしいと頼まれて、貸すことにしました。金額は50万円、期間は5年です。念のため書面にしておこうと思いますが、どのように書いてもらえばよいでしょうか。決まった形式のようなものはあるのでしょうか。書いてもらうのは、名刺の裏などでもいいですか。

【本文】
 お金の貸借の契約は、金銭を実際に渡せば書面がなくても有効ですが、実際には書面にしておくべきです。なぜなら後日、返してもらう時に、借りてないとか、もっと少額だったと、とぼけられないためであり、返さなくてはならないという心理的プレッシャーが期待できるからです。

 そのため、貸したことや金額、返済義務とその期限などが明確になるようにしなくてはならず、「金銭消費貸借契約書」とか「借用書」といった契約書にすべきで、名刺の裏の利用は賛成できません。
 
 契約書では、貸主・借主が連名で署名しますが、借用書の場合は借りる友人が貸すあなたに差し入れる形式ですから、友人だけの署名で足ります。横書きなら、借用書という表題を書き、その下の冒頭に「○○○○殿」と借用書の宛名、即ちあなたの名前を書き、行変えして、「本日50万円を確かに借り受けました。」という文言を書いてもらいます。これが眼目です。そして、「借金は、5年以内に完済します。」と、借用期間を明確にしてください。勿論、具体的な日で特定もできます。
 
 期限を決めなければ、いつでも返済を請求できますが、放っておくと、10年間で権利を失う時効という制度の期間がスタートします。5年間と決めたのであれば、きちんと書くべきでしょう。行変えして日付を入れて、友人に署名押印させれば完成です。

 もし利息を取るなら、その約束が必要です。何も決めない場合は無利子です。期限に返さないと遅延損害金の制度がありますが、特約がないと年5%です。貸金の返済が心配なら、担保も検討事項です。また、友人が破綻状態になった場合などには5年前でも請求できるよう、期限到来の特約があると便利です。市販の金銭消費貸借契約書式などもあるので、それを使うほうが楽です。
 
※週刊ポスト2011年4月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
大河撮影前に2人で北海道旅行をしたという(時事通信フォト)
吉高由里子、セレブ恋人との結婚は『光る君へ』クランクアップ後か 交際は事務所公認、大河スタッフも“良い報告”を楽しみに
週刊ポスト
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン