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韓国の「日本海→東海」名称変更の狙いにロシアから援軍登場

 東京での笑顔の日中韓首脳会談を終え、李明博大統領が帰国したその2日後、韓国・民主党の国会議員3人が北方領土の国後島に約50分間“上陸”した。3人はいずれも韓国国会で「独島(日本名・竹島)領土守護対策特別委員会」に属するメンバー。

 委員長の姜昌一議員は、日韓近代史を研究する歴史学者上がりの政治家で、折り紙つきの“反日論客”である。北方領土をめぐる日露の領有権問題に首を突っ込みながら、竹島問題で日本政府に揺さぶりをかけようとした意図はミエミエである。
 
 韓国は来年、国会議員の総選挙と大統領選挙を控えているため、愛国者として名前を売りたい議員の個人プレーとの見方もある。しかし、韓国側のさらなる計算があったと指摘するのは、産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏。

「韓国は近年、国際社会に向けて『日本海』という名称を『東海』に変更すべきだというキャンペーンを張っています。日本海は帝国主義下の名称――といった報道さえ流すほどです」

 昨年、日本海で行なわれた米韓の軍事演習では、米国側が韓国の反発を受けて、演習場所を「韓半島の東の海で実施」といい換えるほどナーバスになっている。ロシアでも風向きの変化が見られるという。

「ロシアの一部の学者が韓国の主張も一理あるといい出しています。韓国はこうした動きを敏感に捉え、ロシアを味方につけて日本海の名称が変更できれば、なし崩し的に竹島の領有権も主張しやすくなると考えている。今回の国後島入りは、ロシア支持をアピールして、その見返りに名称問題の賛同も得ようとしたのではないか」(黒田氏)

 このままではロシアや韓国の思うツボ。しかし、悲観ばかりする必要はない。

「韓国議員が北方領土に足を踏み入れたことで、韓国の竹島支配はロシアが終戦のドサクサに紛れて北方領土を奪ったのと同じ程度の問題だと認めたことになる。つまり日本側は竹島も強引な領土支配に変わりはないと指摘できるカードを持った」(黒田氏)

 今回の件を逆手に取って、日本政府は今すぐ竹島を不法占拠する韓国に対抗すべきではないか。

※週刊ポスト2011年6月10日号

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