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参入障壁低く不況に強いリサイクル業 買取専門店が急増中

 2011年8月25日に帝国データバンクより発表された100業界228分野の「2011年度業界天気図」(業界動向の概要)では、東日本大震災や円高などの影響により、全体の5割強である126分野が「雨もよう」(小雨:減収~雷雨:需要が激減)という調査結果が出た。

 長引く不況の中で“不況に強い業界”を改めて探してみたところ、少し古いデータになるが経済産業省が2008年11月に公表した『平成19年 商業統計表』では、平成9年から19年までの10年間で事業所数が約1.85倍、年間商品販売額が約3.8倍と伸びているのが中古品小売業(骨とう品を除く)――いわゆるリサイクルショップだ。

 エコロジーが浸透してリサイクルやリユースが定着したこと、不況の中での節約志向など、消費トレンドや消費者意識の変化が、リサイクルビジネス成長の要因だ。

 一般的にリサイクルショップというと、商品を買い取り・販売しているイメージが強い一方、最近街で急速に店舗が増えているのは「買い取り専門店」。販売も兼ねる場合は商品の展示や在庫ストックにかかるスペースや在庫を抱えるリスクもあるが、「買い取り」だけならその分のコストやリスクを回避できることもあり、店舗急増に繋がっている。

 そうした特性を活かしたフランチャイズ(以下、FC)展開をしている買い取り専門店のひとつ「おたからや」を例に見ると、初期投資や研修費用が約350万円~、その他に運転資金の準備などは安い金額とはいえないが、店舗スペースは5坪~、本部への支払いはロイヤリティと広告協賛金が各10万5000円で合計21万円の固定費のみ。現在ではFC店舗も200店を超え、月商1000万円以上のオーナーも増えているという。

 買い取り品目としては一般的な貴金属・ブランド品はもちろん、相場が上がって人気の金のほか、オーナーの趣味や嗜好を活かせるようなカメラ・鉄道模型・ギター等々といった幅広い買い取りメニューが特徴的。また買い取った商品はすぐにFCオーナーが買い取り業者に直接販売するため、買い取った商品の現金化プロセスが短いというキャッシュフロー上のメリットがある。

 こうしたリサイクル業のFCオーナーになるには、資金等の準備のほか、必要なのは古物商の許可証取得。

 古物商の許可申請は難易度が低く、破産している・服役後5年以内・住所不定などといった、いくつかの例外条件にあてはまる人を除いて、一般的な成人であれば必要書類を用意し、開業予定の所轄警察署で申請を行なうことができる。

 参入障壁が低い上に不況に強いリサイクル業界は、今の時代に起業を考える人にとって有効な選択肢のひとつといえるだろう。

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