芸能

《芸能人も多数着用》桂由美さんが生前嘆いていた「ナシ婚」 ウエディングドレスで「花嫁を美しく幸せにしたい」強い思い

日本のブライダルファッションの先駆け的存在、桂由美さん

日本のブライダルファッションの先駆け的存在、桂由美さん

 日本のブライダルファッションの先駆け的存在で、海外でもウエディングドレスのコレクションを発表し、その名を世界的に知られていたデザイナーの桂由美さん(以下、桂先生)が4月26日に亡くなっていたことが30日わかった。享年94。その功績をたたえる声が各方面から上がっている。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが生前の思い出を綴る。

 * * *
 手元のスマホに訃報が流れて来た瞬間、私は特別講師を務める『早稲田美容専門学校』でセミナーの真っ最中だった。

 卒業後、ブライダルの仕事に就く学生もいることから、予定していたテーマからは外れたが、長い時間をとって桂先生の足跡を話させてもらった。

 実は桂先生と私は“御近所”で、トレードマークのターバンを巻き、常に華やかな柄の御召し物で、徒歩で『桂由美ブライダルハウス』に通勤する姿や、近年はワンちゃんの散歩をお一人でされている様子を度々目にしていた。

「桂先生、おはようございます」と挨拶させていただいたり、メディアに出演された後には「拝見しましたよ」と話しかけたりすると、控え目な笑顔と小さな声で応えてくださった桂先生。御自分は裏方であるという姿勢を常に崩さない方だった。

ウエディングドレスは「自分たちのためにも親御さんのためにも」

 放送作家として、桂先生の半生や結婚式のトレンドを番組にさせていただいたことも数え切れない。その度にインタビューに応じてくださり、最後に長時間お話をうかがったのは4年前の秋だった。

 それは、ある週刊誌の連載で、『桂由美ブライダルハウス』1階で販売しているタイツを紹介するため取材を申し込んだところ、対応してくださったのが、なんと桂先生。1階の喫茶スペース「カフェ・ド・ローズ」で、名物のシチューをふるまっていただきながら約1時間半、色々なお話を聞かせてもらった。

 ちなみにここは、文字通りバラにまつわる飾りやアート、バラの世界観に因んだメニューが揃い、婚礼衣装を選びに来たカップルや母娘のみならず、近隣のオフィスに勤める女性たちにも大人気のスペースだ。

 日本のブライダルの歴史を資料も見ずにスラスラと詳細に話される桂先生が口にした言葉で印象的だったのは、当時まだそれほど世間に広まっていなかった「ナシ婚」だ。

 90年代、芸能人の婚礼がきっかけでトレンドとなりつつあった「地味婚」を最初に記事化したのは『女性セブン』だが、それから四半世紀以上が経ち、もう「地味婚」もやらない若者たちが増えたことを桂先生は嘆かれていらした。

 結婚式場やホテルでも、家族だけで式を挙げて記念写真を撮り、館内で食事をするだけのプランが既に登場していたし、「結婚式にお金をかけるよりも旅行や住環境にお金をつかいたい」という声が主流になりつつあった頃だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「木下MAOクラブ」で体験レッスンで指導した浅田
村上佳菜子との確執報道はどこ吹く風…浅田真央がMAOリンクで見せた「満面の笑み」と「指導者としての手応え」 体験レッスンは子どもからも保護者からも大好評
NEWSポストセブン
石破首相と妻・佳子夫人(EPA=時事)
石破首相夫人の外交ファッションが“女子大生ワンピ”からアップデート 専門家は「華やかさ以前に“上品さ”と“TPOに合わせた格式”が必要」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ノックでも観客を沸かせた長嶋茂雄氏(写真/AFLO)
《巨人V9の真実》王貞治氏、広岡達朗氏、堀内恒夫氏ら元同僚が証言する“長嶋茂雄の勇姿”「チームの叱られ役だった」
週刊ポスト
中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
現場となったマンホール
【埼玉マンホール転落事故】「どこに怒りを…」遺族の涙 八潮陥没事故を受けて国が自治体に緊急調査を要請、その点検作業中に発生 防護マスク・安全帯は使用せず
女性セブン
ロシアのプーチン大統領と面会した安倍昭恵夫人(時事通信/EPA=時事)
安倍昭恵夫人に「出馬待望論」が浮上するワケ 背景にある地元・山口と国政での「旧安倍派」の苦境
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
政府備蓄米で作ったおにぎりを試食する江藤拓農林水産相(時事通信フォト)
《進次郎氏のほうが不評だった》江藤前農水相の地元で自民大敗の“本当の元凶”「小泉進次郎さんに比べたら、江藤さんの『コメ買ったことない』失言なんてかわいいもん」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン
「最高の総理」ランキング1位に選ばれた吉田茂氏(時事通信フォト)
《戦後80年》政治家・官僚・評論家が選ぶ「最高の総理」「最低の総理」ランキング 圧倒的に評価が高かったのは吉田茂氏、2位は田中角栄氏
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン