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ほくろに見える皮膚がんメラノーマ 皮膚や内臓に転移恐れも

顔はもちろん、首や腕、足など全身にできるほくろ。気にはなっていても「どうしていいのかわからない」と、放置している人も多いはず。そこで、ほくろと間違いやすいといわれるメラノーマについて解説する。

メラノーマは別名「悪性黒色腫」。見た目はほくろと似ているが、ほくろではない怖い病気。メラノーマは、ほくろのように見える皮膚がん。特に日本人は、手のひらや足の裏、爪の中に発生する率が高い。ほくろだと思って放っておくと、発生した場所によっては皮膚や内臓などに転移する恐れがある。

「成人以降にできた濃淡のあるほくろのような色素斑は、メラノーマを疑わなければなりません」と話すのは東京女子医科大学八千代医療センター皮膚科診療科長の三石剛さん。

「メラノーマの正確な原因は現段階では解明されていませんが、紫外線を浴びる量が深く関与している疑いがあります」(三石さん)

また、できる場所は足の裏以外にもある。

「メラノーマはどの場所にも発生しますが、特に多い発生部位は、足の裏です。足の裏のほくろは、他のほくろに比べて摩擦などにより刺激を受けやすく、ほくろが変化しやすい場所ともいわれており、中には悪性になるものもあります。万が一を考えて、足の裏にほくろを発見したら早めに専門医に診断してもらいましょう」(三石さん)

診断は、ダーモスコピーという拡大鏡のような機械で病変部を観察し、良性か悪性かを見極める。また、病変部を切除しての組織検査も。

「外科療法などの手術によって摘出しますが、転移の可能性がある場合は、同時に抗がん剤や化学療法などを併せて行います」(三石さん)

メラノーマの発生原因には紫外線の影響もあるといわれていることもあり、予防法は、ほくろ同様UVクリームなどによる紫外線対策が◎。

「顔のほくろが大きくなったけど大丈夫?」「中央から太い毛が生えてきたけど危険なの?」という疑問の声も。

「成長するほくろとひと言でいっても悪性とは限りません。ただ、以下の見分け方のように、成長すること以外に複数当てはまる人は要注意。また皮膚がんの場合、そこから毛は生えてこないので、ほくろから毛が生えてきてもがんの心配はありません」(三石さん)

日ごろから自分のほくろの位置やサイズを把握し、変化を見逃さないこと。そして、新たなほくろを発見したら、注意!

最後にメラノーマの見分け方を。メラノーマには、ほくろとは違った6つの症状がある。以下のA~Fにあてはまる場合は注意して!

A:左右非対称で輪郭がいびつで円状ではない
B:輪郭があいまいでぼやけている
C:濃いところと薄いところがあり色が不均一
D:表面がデコボコして盛り上がっている
E:直径が6mm以上ある
F:急速に大きくなり、出血することも

これらに複数当てはまる場合は、メラノーマの疑いがあるので専門の病院へ。

※女性セブン2011年12月22日号

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