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日本企業の新興国進出 骨埋める覚悟持つ社員が3分の1必要

東日本大震災、ユーロ危機と多くの脅威にさらされた日本企業は、なかなか浮上のきっかけを掴めずにいる。しかし、このまま日本経済が「失われた30年」に突入してよいはずがない。大前研一氏が、日本企業が真のグローバル化を達成し、世界で活躍するための条件のひとつ、グローバル人材の育成にについて指摘する。

* * *

アメリカ企業が新興国に事業展開する場合、現地に派遣するミドルマネジメントクラスの希望者を社内で募集したら、手を挙げる社員が必ずいる。インド系やアフリカ系など豊富な人材がいるから、赴任地がどこであれ、即座に経験者や社歴の長い人を派遣できるのだ。

日本企業の場合は、赴任先が新興国だと、出向を命じられても腰が引けてしまい、「長男なので親の面倒を見ないといけない」「子供が受験で……」などと言って断わるケースが多い。

だが、これから必要な人材は、ブラジル、インドネシア、トルコ、ナイジェリアなどの“新興国要員”である。といっても、日本から2~3年の任期で派遣するトップ以外は現地採用の外国人だけ、というのでは、本社との間に乖離現象が起きる。

だから、必要な人材のうち3分の1はその国に骨を埋めてもかまわないという中核人材を調達しなければならない。次の3分の1はスペイン語や中国語などの言語圏単位でローテーションし、残る3分の1は現地と本社の間を行き来する。そのようなグローバル人材の育成が急務なのだ。

※SAPIO2012年1月11・18日号

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