世の中にはたくさんの“クレーマー”がいるが、なかには自分がミスしていることに気づかずクレームを入れてしまう、そそっかしい人もいる。東京に住む女性Aさん(39才)の夫(45才)も、そんな哀しいクレーマーのひとり。なんとも恥ずかしいクレーム談をAさんが明かします。
* * *
ホンモノのクレーマーより、たちがいいのか、悪いのか。うちの夫はひと言でいえば“ずっこけクレーマー”。たとえばこの前は買ったばかりのテレビが映らない。「どうなってんだ!」と怒鳴ったかと思えば、取扱説明書をパーッとめくって「お客様サービスセンター」の電話番号をさがす。
その早さといったら止める間もないほどよ。止めたところでいったんカーッとなったら目がウツロで何をいっても止まらないけどね。
で、「何回、スイッチを入れてもダメだっ。どういうことだっ」とわめき立てたあと、相手の名前を聞き、「オタクは大企業のクセに、こんなバッタモンを売りつけて恥ずかしくないのか」とかさんざっぱらイヤミ。
恥ずかしいのはそのあとよ。家族にも自分の正しさを証明したい夫はスピーカーフォンにするんだけどさ。
「お客様、まさかとは思いますが、まずコンセントをご確認していただけますか」
「なにっ、コンセントだと! そんな初歩的なミスを○×大学卒のオレが…あれっ? ああっ、アアッ~!」
「お客様、どうなさいましたか?」って聞かれたら、「ま、誰だって凡ミスはありますよね。あははは。御社の製品が故障するわけないですよね~。これからも愛用させていただきます。では」だって。
※女性セブン2012年6月28日号